オンライン決済システムを提供するストライプが、ついに日本に上陸する。すでに招待制のベータ版の提供を開始、今秋には正式版をリリースする。同社はすでに2014年にストライプジャパンを設立、加盟店管理業務については三井住友カードと提携した。
ストライプは世界中の金融機関と連携しており、さまざまな決済をワンストップで行えるグローバルなプラットフォームだ。数行のコードを、決済システムを導入したいアプリやプログラムに貼り付けるだけで、オンライン決済機能を導入できる。このシステムを導入すれば、あらゆる国の消費者からの決済を容易に受け付けられるようになる。正式リリース時には約130以上の通貨に対応する予定だ。
また、ストライプは、本人確認、個人情報保護、セキュリティなどの面においても万全な体制を整えていると説明している。
ストライプは10年に創業し、ベンチャーキャピタル、米Yコンビネーターの支援を受けてサービスを開始した。14年12月時点での企業評価額は35億7500万ドル(約4300億円)に上っている。
ストライプの導入は、米国ではスタートアップ企業を中心に広がっている。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアなどでも採用されている。さらに、アップルが14年に新たな決済システム「アップル・ペイ」を発表した際、ストライプは同サービスのパートナー企業として紹介されている。
ストライプはまた、スペインやフランスなど欧州でも積極的に展開しており、すでに19カ国への進出を果たした。
日本での展開に当たり、ストライプは、ヤフーの「Yahoo!ウォレットFastPay」やベリトランスの「VeriTrans Air(ベリトランスエアー)」の決済手数料よりも高い3.6%に設定する予定。こうした強気の姿勢も、グローバルに対応できる決済プラットフォームとしての自信に裏付けられている。
同社最高経営責任者(CEO)であるパトリック・コリソン氏は、日本でスタートアップ企業が次々と生まれていることに注目しているという。ストライプは、日本進出をアジア太平洋市場への進出の足がかりと位置づけている。ストライプの上陸によって、国内の簡易Web決済業界が活気づくことになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)