バイタルデータ解析による「ココロの視える化サービス」とは

2015年07月14日 08:48

 バイタルデータを用いた研究は数多く行われており、その知見に基づいたサービス提供は心電図を用いたストレス測定のような医療分野や、脈波を用いた運転時の眠気推定のような安全運転支援の分野などですでに実現されている。しかし、より幅広い分野での活用が各方面で検討されている。例えば、コンサート等のイベント会場において、バイタルデータを活用し、感動・興奮・喜び等のココロの状態を推定し可視化することで、入場者は体験の客観的な振り返りや友人との共有などが可能になる。

 西日本電信電話(NTT西日本)とエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト、愛知県公立大学法人は、NTT西日本が掲げる「スマート光戦略」の一環として、ICTとバイタルデータを活用したココロの状態推定サービスの実現に向けた共同検討の結果を踏まえ、「ココロの視える化サービス」を、7月9日よりNTTスマートコネクトから提供開始したと発表した。7月10日~2015年9月6日に開催される「梅田お化け屋敷2015 呪い指輪の家」で採用されることが決定した。

 このサービスは、人の状態変化推定アルゴリズムを用いた世界初のサービスだという。バイタルデータを収集・解析することで、様々な場面におけるココロの状態を推定する。要望に合わせて、既存のアルゴリズムだけでなく、新たな解析アルゴリズムも開発し、利用する環境ごとに最適化したココロの状態を提示することが可能だ。

 例えば、お化け屋敷のようなイベントでは、恐怖・不安・驚きといったココロの状態を推定し、可視化することで、恐怖体験の客観的な振り返りや体験後の友人との共有など、新たなイベントの楽しみ方を提供する。

 面型脈波センシング技術など、NTTグループの最先端技術を活用し、質の高いバイタルデータの取得が可能な機器を提案する。これまでは、センサーが小さく、日常生活の中で正確に脈波を計測することは困難だったが、面型脈波センシング技術は計測領域を面に展開し、手に持つモノにセンサーを組み込むことで、日常生活の中で違和感なく脈波を計測することを可能にした。

 また、イベントやアトラクションなど、利用する環境ごとに最適化した解析アルゴリズムを採用し、要望に合わせたココロの状態推定サービスを提供。サービス提供開始時点では、お化け屋敷のようなアトラクションに最適化した解析アルゴリズムを実装しており、今後、利用者の要望に応じて、解析アルゴリズムを開発する。さらに、クラウドサービスにより、機器運用やシステム・ネットワーク管理に必要なコストや稼働を軽減するという。(編集担当:慶尾六郎)