15年上半期の倒産件数、24年ぶりに5000件割れ

2015年07月15日 07:34

 2015年1~6月の企業倒産数が、上半期としては初めて5000件を割り込んだことがわかった。8日、信用調査会社の東京商工リサーチが15年1~6月の倒産数を発表。それによれば、前年同期比10.0%ダウンの4568件であり、上半期としては6年連続で減少し、さらにはバルブ末期である1991年の4723件以来24年ぶりに5000件を割り込んだ。大手企業の業績拡大による景気底上げ感や、金融機関が取引先に対して返済猶予などの支援を続けていることが影響したものとみられている。

 東京商工リサーチの発表によれば、負債総額は前年同期比6.0%ダウンの9902億7600万円であり、これで3年連続で前年同期を下回り、さらに上半期としては90年以来24年ぶりに1兆円を割り込んだ。また倒産数のうち、負債10億円以上の大型倒産は146件であり、上半期としては過去20年間で最も少なかった。上場企業の倒産はスカイマークを含む2件のみで、円安関連の倒産も前年同期の144件から減少して92件となった。

 産業別に見てみると、10産業のうち卸売業以外の9産業が前年同期を下回った。卸売業の倒産件数は前年同期比6.2%アップの743件で、円安により輸入コストが膨らんだことが影響したものとみられる。その一方で、建設業は前年同期比18.0%ダウンの848件と、上半期としては7年連続で減少となった。そのほか、不動産業とサービス業他も6年連続で減少となった。運輸業と製造業も2年連続で前年同期を下回り、それぞれ倒産件数は運輸業が174件で、製造業が691件という結果であった。

 東京商工リサーチは今後の見通しについて、倒産の大半を占める零細企業では引き続き業績が厳しく、倒産件数は現状を底に緩やかに増加に転じる可能性があるとの見方を示している。

 そして同日には、6月単月の倒産件数も発表。それによれば、6月の倒産件数は前年同月比4.7%ダウンの824件であり、これで3ヶ月連続で前月を下回った。負債総額は前年同月比33.9%ダウンの1268億6100万円であり、2ヶ月連続で前月を下回った。(編集担当:滝川幸平)