三菱電機が、JR東日本の東北本線平泉駅(岩手県西磐井郡平泉町)に、発電容量78kWの太陽光発電や蓄電池などの電機品を使用した電力供給システムを納入したと発表。商用の電力を使用しないゼロエミッションステーションを目指すもので、6月28日から使用を開始する
今回納入されたシステムは、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を組み合わせることで、晴天日においては夜間も含めて駅で消費する電力を太陽光発電で賄うゼロエミッションを実現するもの。太陽光発電によって駅に電力供給を行うと同時に、発電の余剰分は蓄電池に充電。夜間や天候不良などで発電量が不足した場合に蓄電池から電力供給するという。また、蓄電池からの放電後やシステム異常時は商用電源から供給するなど、電力変換装置で太陽光発電・蓄電池・商用電源を無停電で切り替え、安定した電力を供給できるシステムとなっている。
今回の平泉駅と同様にゼロミッションを目指す駅としては、2010年に阪急電鉄 が京都本線に新設した摂津市駅が挙げられる。太陽光発電機器の設置やLED照明による低消費電力化、エレベーターのブレーキ時に発生する回生電力を蓄電して力行時に利用するシステムなどが導入されている。しかし、平泉駅と大きく異なるのは、平泉駅が商用電力使用ゼロを目指すものであるのに対し、摂津市駅は駅に由来するCO2の排出量ゼロを実現している点である。そのため後者には前述以外にも雨水利用や無水トイレなどで水道利用によるCO2排出を削減、壁面緑化などを施してCO2の吸収も図っている。震災を機に人や企業の意識が大きく変わったことを如実に表しているであろう。求められるべきは、商用電力使用ゼロを目指すだけでなく、CO2排出ゼロも実現している施設なのではないだろうか。