トヨタ自動車と日野自動車は、7月24 日から30 日にかけて、東京都において燃料電池バス(FCバス)の実証実験を実施する。東京都とトヨタが発表したリリースを総合すると以下のような内容となる。
東京都交通局は、水素社会の実現に向けて2020年の東京五輪開催までに計画的に燃料電池バス100台以上の導入を目指すとしている。今回、来年度からの都営バスへのFCバス導入に向けて、トヨタ&日野製の燃料電池バス走行実証実験を行なうと発表した。
目的は渋滞や頻繁な車線変更など、東京都・都心特有の交通事情に応じた水素消費量やバスの操作性に関する乗務員の意見などをトヨタ&日野のメーカー開発者にフィードバックし、メカニカルな開発に反映させていくことだ。市場投入に際しての都営バスへのスムーズな導入を目指すためだという。
都営バスの運行形態は、都営営業所を起点に、営業運行ではない実験・回送運行を行ない、都心部及び臨海地域における路線バスルートを中心に走行する。
FCバスの運行における確認・調査内容として以下を掲げる。まず、車両性能、走行性能、燃費性能、快適性。次いで、整備性、つまり燃料電池と関連システムの点検整備内容や作業方法など。そして、水素充填、充填時間、作業手順などに及ぶという。
具体的には、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」向けに開発したシステム「トヨタ・フューエルセル・システム(TFCS)」を搭載したFC バスで、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証と、路線バスなど公共交通としての実用性を確認する走行実証を、東京都の協力を得て実施するということ。
つまり、大都市における非常時の給電機能の実用性や、都内道路環境における走行性能を検証することにより、FCバスの技術開発を着実に推進していくことにつなげる。
水素を燃料として自ら発電して走るFCバスは、将来の水素社会実現に寄与する輸送手段として期待されている。トヨタと日野は、東京五輪へ向けてFCバスの市場導入に向けて技術開発を加速していく。世界から集まる五輪観客へ燃料電池メカで先行する日本の技術力をアピールする。(編集担当:吉田恒)