ガス田群は中国防空識別圏真ん中にある 佐藤氏

2015年07月29日 16:58

 佐藤正久元防衛大臣政務官は中国が東シナ海の日中の地理的中間線付近で進めるガス田開発のための構造物が16基建造されていることについて「16基の構造物と中国が設定した防空識別圏(ADIZ)を重ね合わせると、ガス田群がADIZの真ん中に構築されていることが分かる」と軍事目的使用への懸念を28日夕アップのブログで発信した。

 佐藤参議院議員はこの海域は「資源エネルギー庁の説明によれば、商用として採算が見込まれるほどの埋蔵量ではない」と紹介したうえで「そうした場所に、これだけの規模の構造物を設置するとは不思議なものです」としている。

 また、安保法制、特に集団的自衛権の限定的な容認を必要とする例に朝鮮半島有事での例を挙げ「日本は直接攻撃されていないものの北朝鮮による韓国への武力攻撃が発生した場合、韓国に滞在している日本人や諸外国の民間人を日本に避難させることが想定される」とし「現在、韓国に滞在する日本人は短期滞在者を含め約5万6000人。それに諸外国の民間人も併せて避難させるとなると10万人規模の輸送を行うことが見込まれる」としている。

 そのうえで「この規模に対応するには民間船舶や民間機だけでは限界があり、米国の艦艇なども輸送作戦に参加することになるが、仮に邦人を輸送中の米艦艇が北朝鮮などから攻撃を受けた場合でも、現行法では米艦を防護することはできない。日本が攻撃されていないにも関わらず米艦を防護することは国際法上、集団的自衛権の行使に当たり、現行法ではそうした事態を想定していない。つまり、現状、自衛隊は対応することができない。平和安全法制ではこの法的隙間を埋めるべく法改正をし、自国や自国民を守る場合に限り、限定的に集団的自衛権を行使し米艦を防護できるようにしている」と説明している。(編集担当:森高龍二)