磯崎陽輔総理補佐官が安保法案の中の集団的自衛権の部分をめぐり「法的安定性は関係ない」などの発言を講演で行った問題が3日の参院安保特別委員会で質されるが、この発言について2日のNHK番組で、各党を代表して出演した議員らが受け止めを語った。
自民党の佐藤正久参院議員(元防衛大臣政務官)は「磯崎補佐官の参考人招致は与野党合意し、委員長判断で決めた。われわれは法的安定性を大事にして法案を出している。誤解を招く発言は看過できない。しっかり説明して頂きたい。陳謝、釈明はされると思う」とした。
公明党の荒木清寛外交安全保障調査会副会長も「看過できない発言で(真意を)しっかり見極めたい」とし、司会者が、陳謝、釈明、発言の取り消しは当然ということか、との問いには「それは当然だ」と与党側からも批判が相次いだ。
民主党の福山哲郎参院議員(元官房副長官)は「総理補佐官が国会に参考人として呼ばれるのは初めてのことで、委員長はじめ英断を頂いたと思っている」と招致を決めたことを評したうえで「磯崎補佐官は(問題発言の前日に)法的安定性で国を守れますか。こんなもので守れるわけがないですよと発言していた。確信犯的発言」と指摘。そのうえで「法的安定性は今回の法案の一番の争点であり、磯崎補佐官は自ら辞任、ないし総理が更迭すべき。このことを強く求めていきたい」とした。
維新の党の小野次郎幹事長代理は「今問題になっているのは国の軍事力の発動の問題であり、ある種、政府と国民、日本と外国との約束にもなる法案について、法的安定性が問題じゃないと言い出したら、来年どうなっちゃうか分からないということになる。内閣参事官もした、総理補佐官がそんな発言をすれば、内閣の体質そのものがそうなんじゃないかと思われてしまう。極めて重大な問題だ」と酷評した。
日本共産党の井上哲士参院幹事長は「磯崎補佐官の発言は誤解ではなく、彼の確信を述べたものだ」と確信犯だとした。社民党の福島みずほ副党首は「磯崎補佐官の発言は論外で、更迭しかない」としたうえで「法的安定性を誰が壊しているのかというと、安倍内閣そのものだ」と問題視した。新党改革の荒井広幸代も「磯崎補佐官から真意を聞いてみないと分からないが、場合によっては自ら辞めるべきだろう」と発言の重大性を提起した。
磯崎補佐官は講演で「集団的自衛権も我が国を守る為だったら、良いのではないかという提案をしているのです。そうしたら、何を考えないといかんかと、法的安定性は関係ないですよ」と発言していた。(編集担当:森高龍二)