【今週の展望】SQ週でいろいろ波乱含みでも、漂えど沈まず

2015年08月09日 20:31

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今週、8月第2週(8月10~14日)は5日間の取引。後になればなるほどお盆休みで休業する企業が増えるので、日本経済は半分ぐらいは夏休み状態。来週月曜日の17日あたりから一斉に再起動しそうだ

 金曜日の14日はマイナーながらもSQで、今週はSQ週になる。言わずと知れたSQ週の火曜日(11日)と水曜日(12日)は荒れやすい「鬼門」。決算発表もピークを過ぎ、夏休みをとる人が多くなり市場参加者が減っていく時期なので、ファンダメンタルズから遊離した先物プレイはイヤでも目立ちそうだ。その行方を左右するのが需給だが、東証が5日に発表した7月27~31日の裁定買い残は3週連続で増加して2兆7434億円。決して油断はできない数値を示している。

 東証が6日に発表した7月27~31日の投資部門別株式売買動向によると、個人投資家は2週間ぶりの売り越しで売越額は527億円、信託銀行は2週間ぶりの買い越しで買越額は302億円、海外投資家は2週連続の売り越しで売越額は242億円と、買い越しも売り越しも小粒だった。ただ、個人の現金買いが971億円減って信用買いが443億円増加し、信用倍率が7月24日の4.72から7月31日は4.81に増加しているのが需給面で少し気になる点だ。

 海外勢では相変わらずソシエテ・ジェネラルが裁定取引で派手に動き回っており、「オペラ座の怪人」のごとく舞台裏から東京マーケットを巧みに操っている。「8月のパリはいい。なぜなら、フランス人がいなくなるからだ」というジョークがあるが、どうやらこの会社は例外らしい。

 テクニカル面でも波乱要素がある。それは「雲のねじれ」で、12日とマイナーSQの14日の間で日足一目均衡表の「雲」の上限と下限がひっくり返って1回ひねり。「三日新甫」の8月の波乱はこの時に起こるのかもしれないが、決算シーズンをほぼ通過して企業業績が確認されたので、後方大宙返りで2万円の大台を割るような大波乱になる心配はないと思われる。

 その「雲」は、7日時点では20105~20497円の位置にあり、7日終値より227円も下にある。今週は11日まで上限は20400円台だが、12日は20303円で、ねじれの後の14日は20033円まで一気に下がる。下限は12日まで20105円だが、ねじれの後の14日は19946円で、雲の厚さは87円と薄くなる。それは雲のクッションが効かなくなり、それを突き抜けて下落しやすいことを意味する。

 それ以外の7日終値20724.56円のテクニカル・ポジションを見ると、5日移動平均は20614円、25日移動平均は20416円、75日移動平均は20225円。25日線と75日線は雲の中にある。ボリンジャーバンドでは25日線+1σの20704円と+2σの20993円の間にあり、ニュートラル・ゾーンから少し外れて上に位置する。25日線-1σの20128円は雲の中にある。

 オシレーター系指標で「買われすぎ」シグナルが出たのはストキャスティクス(9日・Fast)で、83.7で70をオーバーした。それ以外は騰落レシオは100.9、25日移動平均乖離率は+1.5%、RSI(相対力指数)は52.5、RCI(順位相関指数)は42.0、サイコロジカルラインは6勝6敗で50.0、ボリュームレシオは52.5で、ほぼニュートラルだった。

 本来なら20800円台、20900円台へ上値を追える条件は整っているが、7日続落中のNYダウに国内では10日の景気ウォッチャー調査が怖く、SQ週なので11日の火曜日、12日の水曜日は鬼門。12日は東京のザラ場中に中国の経済指標がまとまって出るので、それが悪ければ上海の急落に引きずられる可能性がある。そのため週間の終値ベースの上値は20800円あたりで止まるとみる。

 一方、下値のほうは波乱が予想されるため「雲」の上限の20497円や6月SQ値の20473円では防ぎきれず、20416円の25日移動平均線あたりまでの下落を考えておいた方がいいだろう。ただしその下の20400円割れは考えにくい。前週は週前半に「上海にボロボロにされた」印象があるかもしれないが、週間最安値は3日の20396円だった。その前の2営業日、その後の2営業日の安値は4日間とも20400円台で、日足一目均衡表の「雲」全体がザラ場の下値サポート機能を果たしていた。その雲は今週ねじれるが、ザラ場で落ち込んだとしても終値ベースでは20400円台はしっかりキープでき、何度か波乱に見舞われたとしても「漂えど沈まず」だろう。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは20400~20800円とみる。

 前々週も波乱、前週も波乱。今週も波乱の予感に満ちている。だが、この程度の上下動で心を乱して投資マインドが萎縮しているようでは、最終的な勝利はおぼつかない。心がけたいのは「悠々として急げ」。「遅かれ早かれ、勝つのは、勝てると思っている人間だ」(ポール・トゥルニエ)(編集担当:寺尾淳)