今週、8月第2週(8月10~14日)は5日間の取引。後になればなるほどお盆休みで休業する企業が増えるので、日本経済は半分ぐらいは夏休み状態。来週月曜日の17日あたりから一斉に再起動しそうだ。前週の東京市場は売買代金が3兆円を超えた日もあったが、今週は市場参加者が減って7日時点で84営業日の連続2兆円以上の記録がストップするかもしれない。14日はマイナーSQ算出日で、11、12日は鬼門の「SQ週の火曜日、水曜日」になる。15日は「日本のいちばん長い日」から70年目の終戦記念日。
世界の株式市場の休場日は、10日はシンガポールが9日の独立記念日の振替休日で休場する。南アフリカが9日の「女性の日」の振替休日で休場する。12日はタイがシリキット王妃の誕生日で休場する。
なお、日本では終戦記念日の15日は例年、インドでは独立記念日の祝日、韓国では「光復節」の祝日、ヨーロッパや中南米のキリスト教国の多くでは「聖母被昇天の日」の祝日で株式市場は休場するが、今年は土曜日。ちなみにキリスト教国の一部では宣戦布告(日本時間)の12月8日も「無原罪の御宿りの祝日」で休場する。聖フランシスコ・ザビエルとともに日本の守護聖人を務める聖母マリアとご縁のある戦争だった。
国内の経済指標は10日の景気ウォッチャー調査に悪化の懸念がある。庶民レベルの「景気が悪くなっている」という肌感覚を裏付ける数字が出ると、補正予算編成など秋の政局に影響を及ぼしかねないので、建設セクターなどはかえって政策期待で上昇するかもしれない。すでに4~6月GDPのマイナス成長は確実視されている。
10日は7月の景気ウォッチャー調査、消費動向調査(消費者態度指数)、11日は7月のマネーストック、12日は7月の国内企業物価指数、6月の第三次産業活動指数、鉱工業生産指数・稼働率指数確報値、13日は6月の機械受注統計(7~9月期の見通し)が、それぞれ発表される。
10日にエルニーニョ監視速報が発表される。秋は残暑がだらだら続かず、早くから秋めいたほうが景気には好影響。12日に7月14、15日に開催された日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。14日は日経225オプション取引、日経225ミニ先物などの清算値を算出する「マイナーSQ(オプションSQ)」の日。
主要銘柄の4~6月期(12月決算銘柄は1~6月期)の決算発表は終盤を迎えて少なくなる。東証の推奨期限は15日まで。
10日は日本ペイントHD<4612>、リクルートHD<6098>、第一生命<8750>、T&DHD<8795>、日医工<4541>、横浜ゴム<5101>、東洋ゴム工業<5105>、ホシザキ<6465>、千代田化工建設<6366>、アイフル<8515>、東和薬品<4553>、スタジオアリス<2305>、サンドラッグ<9989>、名鉄<9048>。11日は日揮<1963>、飯田GHD<3291>、電通<4324>、テンプHD<2181>、マツモトキヨシHD<3088>、ニプロ<8086>、ダイフク<6383>、ペプチドリーム<4587>、北越紀州製紙<3865>、セイコーHD<8050>、メニコン<7780>、ワタミ<7522>。
12日はトレンドマイクロ<4704>、マブチモーター<6592>、近鉄GHD<9041>、光通信<9435>、日本マクドナルドHD<2702>、シチズンHD<7762>、東映<9605>、Jトラスト<8508>、そーせいG<4565>、ニチイ学館<9792>、大幸薬品<4574>、MUTOHHD<7999>。13日はネクソン<3659>、ミクシィ<2121>、すかいらーく<3197>、ラオックス<8202>、ユーグレナ<2931>、アサツーDK<9747>、カヤック<3904>、リブセンス<6054>、比較ドットコム<2477>。14日は東燃ゼネラル石油<5012>、サイバーダイン<7779>、デジタルガレージ<4819>、ひらまつ<2764>、ITBOOK<3742>、コナカ<7494>。
今週の新規IPOは1件。11日にパルマ<3461>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、「トランクルーム」などセルフストレージビジネスのためのソリューションプロバイダ事業を行っている。公開価格は1350円。イタリアやスペイン・マヨルカ島の都市パルマとは関係ない。なお、10日に東証マザーズ上場が予定されていたリッチメディア<6170>は上場が延期された。
海外の経済指標は12日の中国の3本、13日のアメリカの小売売上高、14日のアメリカの鉱工業生産指数が重要。14日のドイツとユーロ圏の4~6月期GDPも見逃せない。
10日はアメリカの7月の労働市場情勢指数(LMCI)、11日はドイツの8月のZEW景況感指数、アメリカの4~6月期の労働生産性指数速報値、6月の卸売売上高、卸売在庫、12日は中国の7月の小売売上高、工業生産高、都市部固定資産投資、ユーロ圏の6月の鉱工業生産指数、アメリカの7月の財政収支、13日はアメリカの7月の小売売上高、輸出入物価指数、14日はドイツの4~6月期の国内総生産(GDP)、ユーロ圏の4~6月期の域内総生産(GDP)、アメリカの7月の生産者物価指数(PPI)、鉱工業生産指数・設備稼働率、8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が、それぞれ発表される。
13日に韓国が政策金利を発表。7月15、16日に開催されたECB理事会の議事要旨が公表される。
アメリカ主要企業の決算は、12日にメーシーズ、シスコシステムズ、13日にノードストロム、アプライド・マテリアルズ、コールズ、14日にJCペニーが発表する予定。
前週は上海市場の急落を怖がるあまり、前場でちょっとコミカルな値動きまで見られた一週間だった。その上海は「北京冬季五輪決定」のご祝儀ムードなど微塵もない有様で、低迷から立ち直れなかった。東京市場は決算発表シーズンで個別物色は盛んだったが、TPP交渉の物別れもあり、日銀会合の結果待ち、アメリカ雇用統計の結果待ちの様子見ムードにおおわれた。さらに「4~6月期GDPはマイナス確実」という国内景気への懸念が「通奏低音」としてうなり続け、上値追いに待ったがかかったり、大引けで急落したりした。相場のお天気は紺碧の青空ではなく、薄雲がかかって日差しがさえぎられた。
7日に発表された7月分のアメリカの雇用統計は、失業率は5.3%で横ばい、非農業部門雇用者数は市場予測より1万人低い21.5万人だった。「市場予測よりやや低い」というのは約1ヵ月前の6月分の時もそうで、「良すぎて9月利上げの可能性が高まることも、悪すぎて景気腰折れ懸念が出ることもないちょうどいい水準(ゴルディロックス)」かと思いきや、3匹のクマは許してくれずNYダウは7日続落。為替レートは思惑が交錯した「桂林の山」のような乱高下の末にドル安円高に収束した。かくして週明けの東京市場に波乱の種を残している。