15年度の国内設備投資計画、4年連続でプラス

2015年08月09日 18:28

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素材や部品などの分野において、国内の企業が積極的な設備投資を行おうとしている。

 素材や部品などの分野において、国内の企業が積極的な設備投資を行おうとしている。4日、日本政策投資銀行が発表した2015年度の大企業の国内設備投資計画調査によれば、全産業の国内投資は14年度実績比13.9%アップの19兆2588億円であり、4年連続で増加する見通しとなった。日本政策投資銀行は今回のこの調査について、円安の定着を背景に国内で前向きな投資が広がっていると分析しており、各企業の業績拡大を背景に、国内の設備投資が増加しそうな気配だ。

 国内設備投資計画調査は、資本金10億円以上の大企業3207社を対象に6月に実施され、2203社から回答を得た。回答率は68.7%。業種別に見てみると、製造業は14年度実績比24.2%アップの7兆571億円。鉄鋼を除く全業種でプラスとなり、スマートフォン(多機能携帯電話)や車載向けの半導体などの分野への積極的な投資が目立った。スマートフォンや車載向けの半導体などの分野を含む「電気機械」は、14年度実績比61.3%と高い伸びをみせた。そのほか、「自動車」もエコカーへの投資が見込まれることから、14年度実績比25.7%アップとなった。「鉄鋼」は高炉の改修に一服感が訪れたことにより、14年度実績比0.3%ダウンとなった。

 非製造業は14年度実績比8.7%アップの12兆2018億円。電力・ガス、運輸、不動産などのインフラ関連の投資が堅調に推移した。また、20年に開催される東京五輪に向けた商業施設関連の増強や、ホテルの改装などの投資が目立った。

 海外設備投資は全産業で14年度実績比5.8%アップ。製造業は14年度実績比4.1%アップであり、「自動車」は14年度実績比3.1%ダウンであるものの、「一般機械」や「電気機械」などがプラスとなっている。非製造業は14年度実績比9.6%アップであり、「卸・小売」や「不動産」が大きくプラスとなった。

 こうして4年連続でプラスとなった今回の調査だが、伸び率は14年度の15.1%を下回っている。夏の時点での設備投資計画は下方修正されることが多いことから、実際の投資額は調査内容よりも減少するのではないかという見方もある。(編集担当:滝川幸平)