サマーブレイク明けの8月9日、シーズン後半の初戦となるMotoGP第10戦インディアナポリスGP決勝が開催された。舞台となったのは、アメリカ合衆国インディアナ州にあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。世界3大レースの一つである「インディ500マイル」が行われることで知られるモータースポーツの聖地だ。全長4,200m、コース幅16m、最長ストレート872m、右コーナー6、左コーナー10というレイアウト。コースを改良して2008年からMotoGPが開催されるようになった。
予選は1秒以内に12台がひしめき合う接戦となった。ポールポジションは2戦連続となるレプソルホンダのマルク・マルケス。ついでダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)、ホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)と続く。シーズン前半をポイントリーダーで終えたヴァレンティーノ・ロッシは8番グリッドからのスタートとなった。また、ドゥカティ勢ではサテライトチームのダニーロ・ペトルッチ(オクトプラマックレーシング)が最高位の5位を獲得した。
決勝レースの天候は曇り、気温28°、路面温度35°のドライコンディションだが、先行して行われたMoto3、Moto2では小雨が降ったため、各チームはレイン用マシンの準備にも余念がない。
27周で争われるレースがスタート。ホールショットを決めたのは、予選3位スタートのJ・ロレンソ。その後にM・マルケス、D・ペドロサと続く。8番グリッドスタートのV・ロッシは1周目で4番手まで浮上した。2周目にはJ・ロレンソとM・マルケスの先頭2台が3番手以下をやや離しつつ周回を重ねていく。
レース中盤、順位は変わらなかったが、J・ロレンソとM・マルケスの1番手争い、D・ペドロサとV・ロッシの表彰台争いはワンミスであっという間に順位が変わってしまう気が抜けない展開となる。
レース後半になっても、1番手J・ロレンソと2番手M・マルケスはテールトゥノーズで僅差。3番手D・ペドロサと2番手M・マルケスの間は約3秒と差が開き、逆に4番手Vノ・ロッシとの差は縮まる。18周目V・ロッシがD・ペドロサを捉え、順位が入れ替わる。
残り8周というところで小雨が落ち、レインフラッグが降られたがレースは特に変化なく続いた。
残り3周でついにM・マルケスがJ・ロレンソを抜いて、引き離しにかかる。結局そのままトップでフィニッシュを飾った。2位はJ・ロレンソ。D・ペドロサとV・ロッシは終盤、抜きつ抜かれつの争いを繰り広げたが、最終的にV・ロッシがD・ペドロサをかわして3位表彰台を獲得した。
今回のM・マルケスの優勝はレプソルホンダにとって700勝という大きな結果をもたらした。後半に入り、調子を上げてきたM・マルケス、そして連続表彰台を重ねるJ・ロレンソとV・ロッシの優勝争いの行方が白熱しそうだ。ドゥカティのアンドレア・イアンノーネは5位、アンドレア・ドビツィオーゾは9位。シーズン前半に比べるとやや調子が上がらない様子だが、ポイントランキングではアンドレア・イアンノーネは4位をキープしている。また6位ブラッドリー・スミス、7位ポル・エスパルガロ(共にモンスターヤマハテック3)も鈴鹿8耐での優勝がいい影響を及ばしたか安定した順位となった。
次戦第11戦は8月16日、チェコのブルノサーキットで開催される。レース後半も始まったばかりだが、ホンダとヤマハが抜出て来た感じか。次戦も白熱したレース展開に期待したい。(編集担当:水沢潤)