国会軽視 統合幕僚監部内部資料で浮き彫りに

2015年08月12日 19:16

 日米防衛協力の新ガイドラインと安保法案を受けた今後の方向性の検討に入っていたことを示す自衛隊統合幕僚監部の内部資料について、中谷元防衛大臣が存在を認めながら、中身について承知していない旨の答弁が11日の参院安保特別委員会でなされたことについて、民主党の福山哲郎同特別委理事(民主党幹事長代理)は、委員会後の参院安保特別委理事懇談会で3つの問題を提起したと記者会見で概要語った。内部資料は安保法案成立時期を8月、施行を来年2月とするなど自衛隊統合幕僚監部内部資料で国会軽視が浮き彫りになった。

 福山幹事長代理は、まず、「防衛大臣が資料の内容を承知していないということであったので、シビリアンコントロールという点でも大変問題がある」と提起。

 また「安保法案が成立する以前に(法案成立を前提に)議論していることは、国会軽視で、これも大問題」。

 さらに「この資料が事実かどうか認めていない状況で、大臣が認めなければ議論できないというと、鴻池祥肇委員長が『これは流会しかないですね』と言われた。与党側からも反論がなく、野党側は、この資料に対して議論できる環境を整えることと、これまでの宿題に対して議論できる環境を整えることが与党の責任だという事を含め、流会になった。委員長からは『委員会が開けるように与党側は格段の努力をするように』との言葉があった」と語った。

 この問題は日本共産党の小池晃議員が統合幕僚監部の内部資料を暴露し、中谷大臣を追及したもの。内部資料は今年5月に作成されていたといい、そこでは安保法案は8月に成立、来年2月施行。南スーダンでのPKO活動についても、閣議決定は8月7日だったにもかかわらず、5月時点で南スーダンPKO活動の延長を計画に入れ、安保法案成立後の運用を想定していたことが明確になった。小池議員は「戦前の軍部の独走ですよ。こんなこと絶対許されない」と追及。志位和夫委員長は「法案成立を待たずに統幕が勝手な検討をするなど大問題だ」と追及姿勢を示した。(編集担当:森高龍二)