民主党の岡田克也代表は15日、終戦記念日にあたっての談話を発表した。この中で「戦前の植民地支配と侵略、300万余の国民の命を奪った無謀な戦争、その重い教訓と深い反省に基づき、戦後の日本は、憲法の平和主義のもと、平和で豊かな民主主義国家をつくり上げました。同時に、経済協力、人道支援、PKOなど、国際社会の平和と安定にも大きく貢献してきました。戦後70年の日本の歩みは、国際的にも歴史的にも誇るべきものであった」としたうえで「安倍政権は、その戦後70年の日本の歩みを支えた『国のあり方』を大きく変えようとしている」と警鐘を鳴らした。
国のあり方をかえる具体例は「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認。憲法の根幹である平和主義を大きく変容しかねない安全保障関連法案(安保法案)は廃案に追い込むために全力を挙げる」とした。
また「民主党は植民地支配と侵略の事実を認め、痛切な反省と心からのおわびを表明した村山談話・小泉談話の歴史認識を評価し、継承している。和解のために先人たちが重ねてこられた努力を無にすることなく、歴史の事実を直視し、自らの過ちを率直に省みる謙虚な姿勢でアジアの国々との信頼関係に基づく外交を前に進めていくべき」と、外交姿勢を示した。
岡田代表は自民党と民主党との違いについても触れ「安倍自民党政権が目指しているのは、その憲法改正草案に明記しているように、集団的自衛権を制約なく行使し、普通に海外で武力行使できる国です。これに対し、民主党が目指す日本は、先の大戦の教訓と反省、憲法の平和主義の理念に基づき、武力行使に抑制的である国です。これからも日本は、憲法の根幹である平和主義を基軸とした外交・安全保障政策を展開するとともに、アジアの国々との和解を進めることが重要であると考えます。ぜひ私たちの危機感と覚悟を共有していただきたい」と呼びかけた。(編集担当:森高龍二)