訪日外国人旅行者の増加にともない、化粧品や高級時計といった高額品の販売が好調に推移した結果、7月の百貨店売上高が4ヶ月連続で前年同月を上回った。19日、日本百貨店協会が7月の全国の百貨店売上高(既存店ベース)を発表。それによれば売上高は前年同月比3.4%アップの5612億円であった。
7月の訪日外国人旅行者向けの免税売上高は、単月としては今年4月に次ぐ過去2番目の水準にまで伸長した。売上高は前年同月の3.5倍の185億2000万円。中国や東南アジアからの訪日外国人旅行者が増加して、訪日客数は前年同月の2.8倍の24万4000人であった。客単価も前年同月比22.3%アップの7万5800円と大きく伸長した。こうした訪日外国人旅行者の増加にともない、化粧品や高級時計といった高額品の販売が好調に推移したほか、一部の百貨店が夏のセールを7月に後ろ倒ししたことなどが寄与した。
商品別に見てみると、主力である「衣料品」では気温の上昇にともない夏物が好調に推移し、結果前年同月比2.8%アップ、そのほか「化粧品」も前年同月比18.4%アップ、「美術・宝飾・貴金属」も前年同月比22.3%アップと大きく伸長した。その一方で、「家具」は前年同月比11.3%ダウン、「家電」は前年同月比14.1%ダウンという結果であった。7月前半は梅雨の影響により客足は鈍化したものの、後半に気温が上昇したことによりポロシャツなどのクールビズ関連の紳士服販売が2ヶ月ぶりにプラスとなった。
地域別に見てみると、東京、大阪、名古屋の三大都市圏が全体の売り上げをけん引。東京は前年同月比7.2%アップ、大阪は前年同月比6.2%アップ、名古屋は前年同月比6.2%アップという結果。日本百貨店協会によれば、8月に入ってからは、全国で前年同月比9%、東京で前年同月比12%程度前年同月を上回っており、秋物商戦に向けた商品の予約も順調とのこと。こうした結果に対して日本百貨店協会は、消費者のマインドに改善傾向がみられるとの見方を示している。(編集担当:滝川幸平)