2000年、3代目スバル・レガシィに設定された特別仕様車「レガシィBLITZEN(ブリッツェン)」は、標準車には設定のない赤いボディに、ポルシェデザインが監修したエアロパーツで武装した過激なスポーツセダンだった。4代目レガシィにも設定となった“BLITZEN”のエクステリアが、現行のレガシィ・セダンに架装されて今年1月に開催された東京オートサロンで展示された。
「9年ぶりの復活か!」と喜んだスバリストも多かったはずだ。その際、富士重はオートサロンで、「存在感のある“特別なスポーツセダン”として“BLITZEN”の名を継承するフラッグシップセダンとして個性を打ち出した」と述べていたが、その後、富士重からは何のアナウンスも無かった。
ところが、現行「レガシィB4ブリッツェン」は、第44回東京モーターショーで正式市販バージョンが発表され、年明け早々に販売されることが決まったようだ。オートサロンで展示された“BLITZEN”は、そのままの形で販売しても何の問題も無いほど高い完成度だったので、東京モーターショーで発表となる市販バージョンはディテールの修正程度で姿を現すと思われる。
新型は、歴代モデルと同じく、ポルシェデザイン監修によるエアロパーツを装備する。なかでも、過去の“BLITZEN”との継続性を伝えるのが、新型でも採用となる2分割のリアスポイラーだ。フロントでは大きな開口部を持ち、力強さを表現したメッシュ仕上げのヘキサゴングリルが印象的だ。走りを意識したアルミホイールは19インチで専用デザインとなる。
内装には、特別なベージュの本革シートが用意され、赤いボディカラーと揃えた赤いトリミングが随所に施される。
レガシィB4ブリッツェンのディメンションは全長×全幅×全高4805×1840×1500mm、ホイールベースは2750mm。パワーユニットは2.5リッター水平対向4気筒DOHCで、出力&トルクは175ps/5800rpm、24.0kg.m/4000rpmとオリジナル・レガシィと変更はない。が、サスペンションは独自の仕様にチューニングされる見込みだ。
富士重工業は、2014年までの世界生産で4連連続して過去最高を記録、昨年は前年比112.4%となる90万4350台の生産を記録した。なかでも北米販売は好調で、レガシィをはじめフォレスターが北米の販売を牽引している。今年に入っても、国内でインプレッサにスポーツハイブリッドやSTI仕様を追加するなどラインアップを拡充している。次世代ハイブリッドシステムを搭載する新型フォレスターの開発も進んでおり、今年の東京モーターショーが楽しみである。(編集担当:吉田恒)