アウディA4とその先行モデルである1972年に発売された初代アウディ80は、欧州製ミッドサイズセグメントにおける技術革新を牽引し、同時に、アウディに商業的成功をもたらすという功績を挙げた。初代アウディ80において、同社はすでに軽量設計や動力性能や操縦性といった面における新たな基準を打ちたてていた。
今回、フランクフルトモーターショー2015でベールを脱いだ新世代のアウディA4およびA4アヴァントは、先進のテクノロジーと美しいデザインをきわめて魅力的な形で融合させたクルマだ。アウディのベストセラーカーの「A4」のテクノロジーを全面的に見直し、同セグメントのベンチマークに相応しいクルマとして生まれ変わった。新型は、2015年の秋からドイツおよび西ヨーロッパの国々で販売がスタートする。
新型アウディA4のボディ寸法は全長×全幅×全高4730m×1820×1430mm。ホイールベースは2820mm。従来型のA4と比べると、ボディサイズは若干大きくなった。しかしながら、車両重量はエンジン仕様によって最大120kgも削減されて軽くなった。新型A4のボディは、考え抜いた素材の組み合わせ、軽量なボディ骨格基本構造により、クラスで最軽量の部類に入る。
長めのホイールベースを確保した新型A4は、安定感のあるスタイルが特徴だ。フロントからリヤへと伸びる真っ直ぐな水平ラインにより、クルマの幅広さが強調され、簡潔なラインで構成された流麗なボディデザインは、スポーティでありながらエレガンスをも感じさせる。アウディを象徴する特徴的なシングルフレームグリルは低く幅広く、LEDおよびマトリックスLEDのオプションのヘッドライトには、このクルマに込められた最新テクノロジーが目に見える形で示されている。
新型A4には、ドイツ本国仕様車に合計7タイプのエンジン(3タイプのTFSIと4タイプのTDI)が設定される。従来型から大幅に向上したエンジンの出力範囲は110kW(150hp)から200kW(272hp)。その一方で、燃料消費量は最大21%も削減され、新型A4 2.0TDI ultraの燃料消費量は100km走行あたりわずか3.7リッター(27.0km/リッター)で、同じエンジンを搭載したAvantの燃料消費量は3.8リッター/100km(26.3km/リッター)だ。すべてのエンジンが、高い燃費効率、スポーティなパフォーマンス、スムーズネスといった資質を持っているという。
新型A4のガソリンエンジンも大胆な技術革新を果たした。まったく新しい燃焼方式を採用した最高出力140kW(190hp)2.0TFSI ultraのエンジンは、100km走行あたり4.8リッター(20.8km/リッター)のガソリンしか消費せず、同じエンジンを搭載したAvantモデルの値は、それぞれ5.0リッター/100km(20km/リッター)となる。
トランスミッションは、今回完全に開発が見直され、6速マニュアルトランスミッション、7速Sトロニック(新型はFF仕様にも設定)、および8速ティプトロニックはいずれも再設計された。
さて、日本で使うにも魅力的なサイズの新型アウディA4、日本上陸は来春あたりとなろうか。(編集担当:吉田恒)