「フランクフルトモーターショー2015」で注目のワールドプレミアモデル

2015年09月12日 12:14

Audi e tron

アウディはFrankfurtショーで8月に発表した電気自動車(EV)のSUVのコンセプトモデルを出品する。エアロダイナミクス性能を追求したクーペのようなデザインが特徴で、アウディQ5よりも大きくQ7よりも小さなサイズだという。大容量のリチウムイオンバッテリーが3個のモーターを駆動。1回の充電で最大500km以上の走行が可能だ

 9月15日から開幕する世界最大の自動車ショーである「フランクフルトモーターショー2015」(一般公開は17日から)の出展概要が少しずつ明らかになってきた。そのなかから、日本とドイツメーカーの注目ニュースを拾ってみよう。

 ホンダは、この「フランクフルトモーターショー」において、コンセプトモデル「ホンダプロジェクト2&4 powered by RC213V」を世界初公開する。このモデルは、世界中のホンダ二輪&四輪デザインスタジオから80名以上のデザイナーが参加して行なわれた社内コンペ「グローバルデザインプロジェクト」で選ばれたコンセプトモデルだ。1960年代のホンダF1マシンをモチーフにし、ミッドシップ・レイアウトを持つ四輪車でありながら、二輪車のようなフレームとボディカウルによって構成されるボディ構造を持つ。同時にオープンエアを体感できる運転席など、二輪車の開放感と四輪車の運動性能を併せ持つという。搭載エンジンは、同社の二輪MotoGPマシン「RC213V」の公道仕様車「RC213V-S」に搭載する999cc・V型4気筒エンジン。1万3000回転で215馬力の最高出力を発揮する高回転エンジンに、専用開発の6速DCTを組み合わせる。

 日産も新たなコンセプトカーを初公開する。欧州日産が明らかにしたのは、欧州市場向けの新クロスオーバーコンセプトを初公開するという。車名を含めて情報は公表されていないが、欧州日産は、フロント部分が映し出された予告イメージを1点公開した。

 トヨタモーター・ヨーロッパは、同ショーにおいて、コンパクトSUV「C-HRコンセプト」の新仕様を初公開する。C-HRコンセプトは2014年秋、パリモーターショーでワールドプレミアしたモデルだ。同車は、トヨタが提案する新世代コンパクトクロスオーバーのデザインスタディ。軽快さと力強さを大胆に融合したスタイリングが特徴となる。今回のフランクフルトショーでは、このC-HRコンセプトの新仕様が初公開される予定。現時点では、詳細は公表されていないが、パワートレインは「ハイブリッド」とだけとの情報がある。

 また、トヨタは欧州仕様の「ヤリス」(日本名:ヴィッツ)の2016年モデルを発表する。2016年モデルは、グレード体系の変更や新ボディカラーの設定などの改良を実施。欧州主要国に、2016年1月から投入する。

 フォルクスワーゲンは、新型SUV「ティグアン」を初公開すると発表した。現行ティグアンは2007年秋、フランクフルトショーで発表。この小型SUVは世界で支持され、累計生産台数は264万台を超えている。現時点では、画像を含めて新型ティグアンの詳細は、公表されていない。ただし、現行型にはない3列シート仕様が設定されることは決定済み。また、欧州向けにアップデートした「ゴルフ・カブリオレ」の2016年モデルを同ショーで初公開すると発表している。

 アウディは、このショーの目玉として最量販車種の次期「A4」を初公開する。同時に、「e-トロン・クワトロコンセプト」を展示する。アウディは8月に電気自動車(EV)のSUVを市販することを公表した。フランクフルトショー15では、この新型EVのコンセプトモデルを出品する。アウディによると、エアロダイナミクス性能を追求したクーペのようなデザインが特徴で、アウディQ5よりも大きくQ7よりも小さなサイズだという。クーペのようなデザインでありながら、室内は大人4名に十分な空間をもっている。大容量のリチウムイオンバッテリーを前後アクスルの間キャビン下に配置。3個のモーターを駆動する。1回の充電で最大500km以上の走行が可能だ。

 メルセデス・ベンツは、新型「Sクラス・カブリオレ」を初公開する。この新型Sクラス・カブリオレは、現行Sクラスの第6のモデル。Sクラスにカブリオレが設定されていたのは、1961~1971年に生産された「111」「112」シリーズが最後で、Sクラスにオープンモデルが用意されるのは実に44年ぶり。メルセデス・ベンツにはオープンスポーツとして最上級モデルの「SL」がある。が、SLは2シーターだ。今回の新型Sクラス・カブリオレはフル4シーターだ。新型Sクラス・カブリオレは、Sクラスクーペをベースにオープンボディ化。オープン化に伴う補強を施しながら、アルミやマグネシウム素材を使用することで、重量はSクラスクーペと同等に抑えた。ルーフは電動ソフトトップを採用。ルーフは全自動で、スマートにボディ後部に格納される。(編集担当:吉田恒)