三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、富士重工業<7270>、新明和工業<7224>の国内航空機メーカー5社と、日本航空機開発協会(JADC)は昨年、世界最大の航空機製造の米ボーイングと主要部品の製造分担で合意覚書を結んでいたが、23日、諸条件で合意に至ったため、正式契約を結ぶこととなった。主要構造部位の約21%を日本の航空機メーカーが製造分担する。胴体、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部結合、客室扉、貨物室扉、主脚扉、翼胴フェアリングなどを製造する。
今回の契約は米ボーイングの新型旅客機「777X」の開発・製造に関するもので、2017年に生産を開始し、20年に初号機納入を予定しており、今後さらに受注拡大が期待されている。米ボーイングと国内航空機メーカーは、これまで50年近く次世代「737」、「737MAX」、「747」、「757」、「767」、「777」、「787ドリームライナー」、そして今回の「777X」の開発・製造などで協力関係を築いてきており、昨年には約50億ドル(約6100億円)の製品・サービスを日本から調達している。そして今回の契約により、調達規模は今後5年間で約360億ドル(約4兆4000億円)に達するものとみられている。
そして国内航空機メーカー5社のうち、川崎重工業は24日、米ボーイングの新型旅客機「777X」向けの新工場の建設に着手したと発表。名古屋第一工場内に建設する。延べ床面積は約1万3000平方メートルで、16年12.月末の竣工を目指す。今回の契約で川崎重工業は、前部胴体、中部胴体、主脚格納部、後部圧力隔壁、貨物扉の製造を担当。新工場には自社製の最新ロボットや高性能なセンサーなどを導入し、オートメーション化を推し進めて生産の効率化をはかる。現在、川崎重工業の「777X」関連の投資額は、部品製造を担当する岐阜工場と合わせて250億円となっている。
米ボーイングの「777X」は世界各国で運航されている「777」後継機で、400席級で新型エンジンが搭載されている。胴体にはアルミ合金、主翼に炭素繊維複合材が採用されている。(編集担当:滝川幸平)