これはどの業界にも言えることではあるが、特にスーパーなどの流通業界は去年、消費税増税前の駆け込み需要にともなう反動減に苦しめられ続けた。そして反動減の影響はまだ過去のものとなったわけではない。年が明けた今も、その影響は業界全体に根強く残り続けている。そうした状況の中、全国チェーンストア協会は21日、14年の全国スーパー売上高を発表した。それによれば、既存店ベースで前年比0.6%ダウンの133兆207億円であり、これで18年連続でのマイナスとなった。
この前年比0.6%ダウンという結果の主な要因として、14年4月に消費税が実施後の反動減、また夏場の悪天候などの影響により「衣料品」や家電などの「住宅関連商品」の売上が伸び悩んだことなどが挙げられる。「衣料品」は前年比5.4%ダウンという結果であり、大幅な落ち込みをみせた。また「住宅関連商品」は0.4%ダウンという結果であった。しかし「食料品」については前年比0.1%アップと、わずかではあるものの前年を上回った。
時期別の売上高を見てみると、1~3月期は消費税増税前の駆け込み需要の影響を受けて、前年比3.6%アップと去年1年間のうちで最も高かった。そして4~6月期は前年比3.4%ダウン、7~9月期は前年比1.0%ダウン、10~12月期は前年比1.5%ダウンという結果であった。最も落ち込みが大きかった4~6月期と比較すると、それ以降は回復傾向をみせたもののマイナスが続いた。また同日に発表された12月単月の全国スーパー売上高は、既存店ベースで前年比1.8%ダウンという結果であり、これで9ヶ月連続でのマイナスとなった。冬物の衣料品が苦戦したことや、前年に比べて日曜日が1日少なかったことなどが影響した模様だ。
全国チェーンストア協会は今回の結果について、7月以降、消費は期待したような回復をみせず、また消費税増税や円安の影響などにより家計が圧迫されたことで、消費行動が弱まったとの見解を示している。さらに15年1月の動向については、衣料品や住宅関連商品の動きの鈍さが続き、前年を下回る可能性があるとの予想を示している。(編集担当:滝川幸平)