ジャガーのミッドサイズセダン「XE」と多くの部分を共有するクロスオーバーモデル「F-PACE」
活発なティーザーキャンペーンを繰り返し行なっていた英国高級車メーカーのジャガー社、そのジャガーにとって初の新型クロスオーバーSUV「F-PACE」公開された。F-PACEのボディは、全長4731mm、ホイールベースは2874mmで広々とした室内空間を実現した。
エクステリアは、大胆なフロントグリルと力感のあるボンネットなど、押し出しの強いフロントマスクで、細身のフルLEDヘッドライトなどのデザインは、一昨年発表されたコンセプトカーの「C-X17」のデザインビジョンが具現化されたものだ。
この新型SUVに搭載するパワーユニットは、380psを発生する3リッターV型6気筒スーパーチャージャーを頂点に、340psにディチューンしたV6ガソリン、最高出力180psの2リッター4気筒ディーゼルターボ、欧州市場には240psの2リッター４気筒ガソリンを積む後輪駆動モデルと、300psの3リッターV6ディーゼルターボと多彩なラインアップが用意されるもよう。ホイールサイズは18インチから22インチまでとなる。英国Solihull工場で生産し、発売開始時期は2016年後半を予定しているという。
後輪のトラクションを重視した4輪駆動システムは、ブレーキを利用して後輪に伝えるトルクを積極的にコントロールして旋回性能を高めるトルク・ベクタリング機能を備え、前後トルク配分は0：100から50：50にまで自動的に調整する。アダプティブ・ダンパーはジャガーらしいハンドリング特性も約束するという。
F-PACEのオフロード性能は相当高く、最大渡河水深が約526mmで、本格四駆としての指針といわれる坂道進入＆脱出角度であるアプローチアングルとデパーチャーアングルは、それぞれ25.5度と25.7度。同じ企業グループのランドローバー・ディスカバリーの最大渡河水深は約600mm、アプローチアングル25度でデパーチャーアングル31度なので、本格オフロード四駆に極めて近いことが分かる。
21世紀のジャガーとして、当然ながらボディは大部分がアルミニウム製。必要な部位に応じて超高張力鋼板やマグネシウムを用いた複合構造のモノコックだ。この最新のアルミニウム・インテンシブ構造を採用したボディは、同社のセダン「XF」に匹敵するほどのねじり剛性を実現しているという。アルミを多用した効果は絶大で、ミッドサイズのクロスオーバーSUVとしては非常に軽量な1660kgの軽い車重を実現した。
同社初となる高性能クロスオーバーは、Jaguarモデルとして求められる乗り心地やハンドリング、洗練性とともに、悪路や悪天候などあらゆる状況下でも性能や安定性を損なわない。
世界2000台の限定モデルも発表。380psのエンジンと4輪駆動、4種のボディカラー、22インチ15スポークアルミホイール、「アダプティブダイナミクス、アダプティブ LED ヘッドライト、パノラミックルーフを標準装備した「Jaguar F-Pace First Edition」が最初にリリースとなる。日本導入は未定。（編集担当：吉田恒）
