日産のデザイン担当・中村史郎CCOをして「コンセプトカーよりは全体的に少しだけトーンダウンしたかもしれない。が、生産車として見れば、他メーカーのクルマに比べてキャラクターラインを強く出せている。魅力はその低く構えたスポーティなプロポーション。街中で見てもらえればもっとよくわかるだろう」と語ったアグレッシブなデザインが特徴の「インフィニティQ30」
日産は、9月15日に開幕したフランクフルトモーターショー2015において、同社高級車ブランド、インフィニティの新型アクティブコンパクト「Q30」を世界初公開した。前回のフランクモーターショーで発表した「Q30コンセプト」から2年の時を経て、欧州向け市販モデルがデビューしたこととなる。
「Q30」はインフィニティのプレミアムコンパクトへの参入の象徴であり、インフィニティがグローバルな成長のために重要な役割を担う。「Q30」は、フォーマルなサルーンボディに拘泥する顧客とは逆の“新しい購入層に向けてデザインした”と日産のデザイン担当・中村史郎CCOが説明するとおり、常識を覆すような大胆なフォルムと個性を発散するエクステリアを持つ。2013年に発表した「Q30コンセプト」デザインの特徴を忠実に再現した「Q30」は、デザイン主導による商品開発手法の具体例だとも言う。
欧州仕様車の搭載エンジンは、1.6リッターガソリン(最大出力122ps/最大トルク200Nm版と156ps/250Nmの2種)に加えて2リッターのガソリンエンジン(211ps/350Nm)、1.5リッター(109ps/206Nm)と2.2リッター(170ps/350Nm)のディーゼルエンジンの計5種のパワーユニットをラインアップする。組み合わせるトランスミッションは、7速デュアルクラッチ(2ペダル)と6速マニュアル(6MT)だ。
グレード構成はラグジュアリー志向の「プレミアム」とスポーティ志向の「スポーツ」を用意。ボディサイズは全長×全幅×全高4425×2083(ドアミラーを含む全幅)×1495mm(スポーツの全高は1475mm)。ホイールベースは2700mm。最近のSUVのトレンドなのか、全高が低く抑えられている。
日産車お得意のアラウンドビューモニターやパーキング・アシスト、動体検知機能などを装備、シティエマージェンシーブレーキなどを搭載し安全性を高めた。
インフィニティは、2015年1月~8月の世界新車販売台数で、過去最高となる13万6700台(前年同期比114%)を達成した。加えて、中国やアジア・オセアニア、EMEA(欧州・中東・アフリカ)の各地域で過去最高の販売台数を記録している。今回、コンパクトカー市場に新モデルを追加することで、販売力を強化する構えだ。新型「Q30」の価格は、2万0730から1万9780ポンド。欧州におけるQ30の販売は、2015年末から開始される。(編集担当:吉田恒)