政府の財政経済諮問会議メンバーでもある日本経済団体連合会の榊原定征会長は、外国人の国内への受け入れ促進について「内なる国際化の一つ」との認識を示したうえで「外国人材の受け入れを促進することは、わが国の持続的な経済成長に資するもので、わが国の中で多様な価値観や発想、知識・能力・経験を有する外国人材の活躍を促していくことは、イノベーションの創出を推進していくためにも極めて重要」と強調した。
時事通信主催の内外経済調査会での講演で語った。この中で、榊原会長は「現在、わが国の労働力人口に占める外国人労働者の割合は1%と、欧米や韓国と比べて極めて少ない割合に留まっている」とした。
また「外国人留学生の受け入れ状況についても、留学生数は過去5年間14万人程度で横ばいとなっている。せっかく留学しても、卒業後に日本で就職する留学生は3割に満たない。優秀な留学生の定住を促進するためにも留学生が国内企業に採用される割合を高めていくことが必要。多くの企業がグローバル経営に取り組んでいる状況を考えれば留学生の採用が拡大される余地は大いにある」と語った。
そのうえで、榊原会長は「外国人材の受け入れを促進することは、わが国の人口規模にも寄与する。人口減少に直面する日本が経済社会の活力を維持していくためには少子化対策と併せて外国人材の受け入れ促進が急務と考える」とした。その場合、同一労働同一賃金が法的に担保されていることが必要だ。(編集担当:森高龍二)