規制緩和で外国人を呼び込む前に

2014年10月28日 08:41

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2015年度までの2年間を集中取組期間とした国家戦略特区については「ビジネス環境の改善・グローバル化」、「公的インフラ等の民間開放」、「持続可能な社会保障制度の構築」、「新たな地方創生モデルの構築」から構成され、それぞれ様々な事項からなる。

 10月10日、国家戦略特区諮問会議は、第9回会合を開き、新たな規制緩和策をまとめた。国家戦略特区における追加の規制改革事項等について議論が行われ、国家戦略特区法改正案に、外国人労働者を家事代行業務で受入れ拡大すること、外国人起業家の在留資格審査を緩和すること、起業手続きの窓口を1カ所に集約すること、NPO法人の設立手続きの迅速化、公立学校運営の民間開放(民間委託方式による学校の公設民営)などが追加されることとなった。

 2015年度までの2年間を集中取組期間とした国家戦略特区については、「日本再興戦略改訂2014」に基づき、「ビジネス環境の改善・グローバル化」、「公的インフラ等の民間開放」、「持続可能な社会保障制度の構築」、「新たな地方創生モデルの構築」から構成され、それぞれ様々な事項からなる。今回特に注目を浴びたのは「外国人家事支援人材の活用」だ。いったい何なのか。
 
 これまで家事代行、いわゆる家事のお手伝いをする外国人労働者について、その入国・在留は一部のみ認められている。それは日本に駐在している外国政府の職員などに雇われるケースだ。

 規制緩和によって何が変わるのか。それは、国内業者が外国人を雇用することが可能となる。「女性の活躍推進等の観点から、地方自治体等による一定の管理体制の下、家事支援サービスを提供する企業に雇用される外国人家事支援人材の入国・在留を可能とする」と国家戦略特別区域諮問会議の資料には明記されているように、家事代行で外国人労働者を増やし、日本人の女性が仕事と育児との両立をしやすくなるなども想定されている。また、一定の制約はかかる模様だ。

 国家戦略特区として、東京都、神奈川県、千葉県成田市、大阪府、京都府、兵庫県、沖縄県、福岡市、新潟市、兵庫県養父(やぶ)市などが指定されている。政府は今回の規制緩和策を国家戦略特区法改正案に追加し、臨時国会に提出する予定だ。

 なし崩し的に外国人の単純労働者受け入れ解禁・移民政策につながるとの声もあり、国民の感情的な反発も呼び起こす可能性もある。移民政策もそうだが、こうした政策テーマが国民の前に提示し、さらに、十分議論が必要ではないのか。(編集担当:久保田雄城)