解釈変更で徴兵制に可能性、改めて指摘

2015年10月13日 13:48

 民主党の枝野幸男幹事長は徴兵制について、憲法違反と明記されているわけではなく、憲法が定めた『意に反する苦役に服させることの禁止』に該当すると判断することから徴兵制は行えないと解釈している。解釈改憲による『集団的自衛権の行使容認』という前例を認めてしまったことにより、徴兵制の解釈も変わる可能性が出てきてしまったということだ、と昨年7月1日の安倍内閣の憲法解釈の変更、閣議決定が、おおきく法的安定性を壊し、理論上、徴兵制も現行憲法下での解釈変更で可能にされかねないリスクを生じていることを改めて指摘した。

 自民党は、徴兵制について、あり得ないと否定し、野党が憲法に明文での禁止規定がないため、集団的自衛権の行使容認をした解釈変更の手法で可能性を生じさせたと批判することにも、強く批判しているが、地方創生担当大臣の石破茂氏は昨年5月23日の衆院憲法調査会小委員会で「日本の国において、徴兵制は憲法違反だと言ってはばからない人がいますが、そんな議論は世界中、どこにもないのだろうと私は思っています。徴兵制をとる、とらないは別として、徴兵制は憲法違反、なぜですかと聞くと『意に反した奴隷的苦役だからだ』と。国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、私は、国家の名に値をしないのだろうと思っています。私は、意に反した奴隷的な苦役だとは思いません」と閣僚内でも、この問題には異論が出ている。

 自民党は徴兵制を全面否定しているので、憲法草案にも「徴兵制は禁止する」との規定を設けることが、全面否定を裏付けることになる。憲法草案に盛り込んでほしい、との声もある。(編集担当:森高龍二)