社会民主党の吉田忠智党首は経団連が加盟企業に対し自民党への政治献金を働き掛けていることについて「法人税率引き下げや原発再稼働、TPP、武器輸出解禁など、大企業優遇政策を後押しする狙いか」と批判した。
そのうえで「企業・団体との癒着を絶ち、国民・生活者本位の政治を確立するため『政党交付金制度』が作られた。原点に立ち返り、企業・団体献金は全廃すべき」と、リクルート事件でも見られたように、企業献金が政治と企業の癒着の温床になることを踏まえ、全廃するよう改めて問題提起した。
一方、安倍政権との連携を強める日本経済団体連合会の榊原定征会長は「経団連として政治寄付の実施を呼びかけるが、どの政党に寄付するかは各企業の判断であり、その判断材料として各政党の政策評価を提供する。政策評価は経団連の事業方針に照らして、政党がどう取り組み、どのような実績を残したかを示すものである」と説明。
しかし、政策評価の対象は自民党に対するものを詳しく評価しているが、公明党は野党と同様扱い。民主、維新も主な政策は5項目表記しているのみで、後は、保守の次世代のみ。社民、共産、生活は対象外。経団連の目からは民主、維新、次世代は主な野党で、他の野党は主な野党ではないよう。政策評価の仕方はそのまま自民への献金を促すような評価の仕方になっているといわれても仕方なさそう。
また、榊原会長は「見返りを求めて政治寄付するという考えはまったくない。あくまで社会貢献の一環として行うもので、政治寄付を通じて具体的に何らかの利益を得ようという利益誘導のような考えはない」と強調。
そのうえで「政治と経済が車の両輪となって、同じ方向に向かって進んでいかなければならない。車の両輪というのは一定の距離感を保ちながら、同じ方向性を目指していくというもの」と一定の距離感を保つなどとしているが、大企業優先の安倍政権政策に、経団連と安倍政権の一体化だなど、政策をカネで買うなどの批判や懸念の声もある。(編集担当:森高龍二)