ECBの緩和姿勢を受けて来週のFOMC、日銀会合への影響はどうなのか観測が乱れ飛ぶ中、日経平均は大マドをあけて326円高の18762円で始まる。日足一目均衡表の「雲」の中に突入し8月20日以来の「雲タッチ」を果たした。TOPIXも大幅高スタート。序盤は全面高で順調に18800円台に乗せ、9時10分に18865円まで上昇する。TOPIXは1550にタッチ。円安で輸出関連銘柄が買われ、証券や不動産など金利敏感セクターが株価上昇を主導して前場は18800円台をずっと維持し、9時55分に18886円まで上がる。10時35分に日経PMI(製造業購買担当者景気指数)速報値が発表され、9月から1.5ポイント上昇して52.5。50を6ヵ月連続で上回り2014年3月以来の高水準。上海市場はプラスで始まり、マイナスに落ちた時間もあるが乱高下はせずずっと小幅高で安定。日経平均も18800円台前半から半ばの水準で安定をみせ、波乱のないまま前引けは433円高の18869円だった。TOPIXは1550を超えた。
上海市場はマイナスにもタッチしつつ午前の取引をかろうじて僅差のプラスで終えたが、後場の日経平均は全く連動せず8月31日以来の18900円台に乗せて再開。上昇幅をひろげて午後0時44分に18915円の高値をつける。しかしそこから下落して、およそ1時間で約100円下げて18800円台前半に。「ドラギ・マジック」で「緩和プレイ」に火がついても、週末でポジションをいったん手じまう「利益確定売りの金曜日」。それでも前日比で400円前後も高い。2時に8月の景気動向指数の改定値が発表され、一致指数は速報値よりも0.3ポイント、7月比で0.9ポイント低下して112.2。先行指数は7月比1.5ポイント低下の103.5とさえなかった。景気の基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。2時に上海市場が再開し、少しマイナスに沈んだ後、プラスに浮上して徐々に上昇する展開。しかし日経平均は経済指標にも上海市場にもほとんど影響されず黙々と18800円台前半の数値を刻んで時間が経過する。つい先日までベタベタ連動していた上海市場との関係は「二人はもう、別々の道をゆくことにした」か? 週末でも土壇場の急騰、急落はなく静かに大引けを迎え、389円高の18825円で終了。TOPIXは1550に届かなかった。上海総合指数は1.29%のプラスで終えた。
新規IPOが1件。インターネットメディアを運営するGMOメディア<6180>が東証マザーズに新規上場。大引けまで初値がつかず、公開価格2740円の2.3倍の6310円の買い気配で終え、土、日をはさんで26日に初値を持ち越した。公開価格の2~3倍台の初値がつく白星は必至。早々と黒星がついた前日上場のグリーンペプタイドとは大違いで、IT・ネット関連の人気に加え「GMOブランド」の記号のご威光も大したもの。
日経平均終値は389.43円高の18825.30円、TOPIX終値は+29.62の1547.84。売買高は21億株、売買代金は2兆5642億円。値上がり銘柄数は1575、値下がり銘柄数は247。全33業種がプラスで、上位は食料品、不動産、証券、保険、ゴム製品、海運など。下位は小売、空運、石油・石炭、電気・ガス、繊維、建設などだった。
今週の星取は3勝2敗。前週末16日の終値18291.80円から533.50円上昇して、企業業績の4~9月期予想外の好決算続出の予感と、日米欧の追加金融緩和の足音にマーケット関係者の心躍った?今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)