【今週の振返り】毎日、坂道をゴロゴロ転がって1344円下落の週

2015年09月05日 20:22

0205_036

自転車に乗っている人は「人生、下り坂最高!」でも、毎日、後場になったら下り坂をゴロゴロ転がるばかりの値動きでは、再起は遠くなる。

 8月31日の日経平均は4日ぶりに反落。前週末28日のNYダウは11ドル安で3日ぶりに小幅反落。2日で988ドルも上昇した上に週末なので利益確定売りが出たが、落ち着いていた。NASDAQは3日続伸。個人消費支出、ミシガン大学消費者態度指数確報値が市場予測より悪かった上に、ジャクソンホールでフィッシャーFRB副議長が9月利上げに含みを持たせる発言をしたため終日ほぼマイナス圏でもみあった。一方で原油先物価格は45ドル台まで上昇しダウを下支え。CME先物清算値は19170円。フィッシャー副議長はジャクソンホール・シンポジウムでの講演で「中国経済をいつも以上に注視している」「金融政策の正常化は慎重に」と9月利上げ説をけん制したが、31日朝方の為替はドル円は121円台半ば、ユーロ円は136円近辺で、前週末よりややドル高円安に進んでいた。

 日経新聞調査の安倍内閣支持率は、戦後70年談話が一定の評価を得て46%に上昇し不支持の40%を再逆転。9月の自民党総裁選は無投票再選の見通し。通常国会は9月27日まで。取引時間前に発表された7月の鉱工業生産指数速報値は-0.6%で6月の+1.1%から低下し、横ばいの市場予測よりもやや弱い。基調判断は「一進一退で推移している」で据え置き。今年はこれまでプラスとマイナスの間でジグザグな歩みが続いている。

 日経平均は200日移動平均線を下回って129円安の19006円で始まり、15秒後に19000円を割る。TOPIXもマイナスでスタート。序盤は5分後に19000円台をいったん回復しても定着できず、逆に18900円も割り込み午前9時26分に18859円まで下落する。鉱工業生産指数が弱めで東京時間でドル円が121円台前半へ円高が進んだのが株価の重しで、その後も18900円前後の水準で低迷する。10時台は乱高下。19000円台を回復したかと思えば、上海市場がマイナスで始まると18900円まで約100円下落。そこから約50円の半値戻し。上海市場は小幅安ながらスタートから下げ幅を拡大。11時台の日経平均は下押しされて再び18900円前後に。前引けは200円安の18935円だった。

 朝からの円高基調は変わらないまま、上海市場の午前の取引は2.62%安で終了。日経平均は安値を更新し18826円まで下げて再開する。午後0時56分には18749円に下落。1時台は18700円台後半~18800円台前半の間で浮いたり沈んだり。2時に上海市場が再開すると下げ幅を拡大するが、いったん121円を割り込んだ為替のドル円が121円台に戻ったこともあり、2時台の日経平均は底堅くおおむね18800円台を維持し、18900円にもたびたび接近する。それでも相変わらず先物の戻り待ち売り圧力が強くTOPIXより日経平均のほうが下落率が大きい。7月末に比べると4ケタ安い水準なので「月末のドレッシング買い」の動きが出たのか終盤は下げ幅を圧縮し18900円台に乗せるが、最後までもたず245円安の18890円で終えて大幅反落。大引けでMSCIインデックスのリバランスが入っていた。日経平均は1.28%安、TOPIXは0.82%安。上海総合指数は0.81%安で終えた。

 新規IPOが1件。水まわり緊急修理サービスの「水道屋本舗」を展開するアクアライン<6173>が東証マザーズに新規上場。公開価格1250円に対し9時39分、21.6%高い1521円の初値がついた。4件ぶりの白星。8月の新規IPOの星取は4勝2敗1引き分け1預かり(延期)で、さえなかった。

 日経平均終値は245.84円安の18890.48円、TOPIX終値は-12.75の1537.05。売買高は24億株、売買代金は2兆7460億円。値上がり銘柄数は918で、値下がり銘柄数897よりも多かった。8業種が上昇し、上位はその他製品、パルプ・紙、食料品、金属製品、石油・石炭、医薬品など。25業種が下落し、下位は鉄鋼、機械、非鉄金属、銀行、輸送用機器、海運などだった。

 これで8月の取引は終了。7月31日の終値20585.24円から1694.76円安と4ケタの下落を喫して、中国発のグローバルマーケット大混乱に振り回された8月を締めくくった。ザラ場中の月間最高値20946.93円(11日)と月間最安値17714.30円(26日)との落差は、3232.63円もあった。

 9月1日の日経平均は大幅続落。週明けのNYダウは114ドル安で続落。NASDAQも反落した。前週40ドルを割った日もあった原油価格が3日続伸し49ドル台という好材料もあったが、その石油産業の比率が高いダラス連銀製造業活動指数が-15.8ポイントと5月以来の低水準に沈み、シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も-0.3ポイントで市場予測を下回った。上海市場がプラスにならず中国経済への懸念も依然ぬぐえない。為替のドル円は前日比で少しだけ円安で121円台前半。ユーロ圏の消費者物価指数が+0.2%でデフレ懸念が後退しユーロ円は136円近辺。CME先物清算値は18800円だった。

 取引時間前に発表された4~6月期の法人企業統計の設備投資は+5.6%で、1~3月期の+7.3%から鈍化した。国内指標も不安を増す。「防災の日」の日経平均は126円安の18763円で始まる。TOPIXも2ケタポイント安。序盤から下落し日経平均は18700円を割り込む。午前9時台後半には18600円もたびたび割り込むが、9時45分の18564円どまり。10時に発表された中国の物流購入連合会/国家統計局の製造業PMIは49.7で市場予測と一致。前月比-0.3ポイントで6ヵ月ぶりの50割れ、3年ぶりの低水準だが「まだまし」と評価されたのか日経平均は下げ幅を縮小し、18600円台半ばに水準を上げ、鬼が出るか蛇が出るか、上海市場の開始を待つ。上海は小幅安で始まり日経平均は18600円前後に水準を下げるが、10時45分にHSBC改め財新(Caixin)の中国製造業PMIの確報値が発表され、47.3で速報値より0.2ポイント上方修正され市場予測を上回った。それに反応して若干上昇するが長続きせず、その後は-4%を超えて「鬼」になった上海市場の下げ幅拡大、121円を割り込むドル円の円高進行に連動しズルズル安値を更新しながら18500円を割り、11時13分の18414円まで下落する。TOPIXは1500を割り込む。慢性化した「上海・東京連動病」につける薬はなさそう。前引けは450円安の18440円だった。