【今週の振返り】指標、イベントてんこ盛りで257円上昇した週

2015年10月31日 20:36

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大幅上昇の週と思いきや、26日はヘタれ、27日は米・中間で地政学的リスク勃発。FOMCも日銀会合も、金融政策現状維持。それでも補正予算で19000円台に乗せ終了。

 上海市場は1.82%のマイナスで午前の取引を終了。ドル円は120円台半ばまで円高が進行したが後場の日経平均は前引けより10円ほど高く始まる。しかし下げの勢いは止まらず午後0時台のうちに18800円も下回り0時47分に18779円で安値更新。泣く子と地政学的リスクには勝てない。火薬の匂いに反応する防衛関連銘柄の石川製作所<6208>、豊和工業<6203>、東京計器<7721>は逆行高。後場の値動きは18800円台を割り込んでは回復するという繰り返し。2時に再開した上海市場はマイナスで始まって徐々に下げ幅を圧縮する展開で、「中日連動」がよみがえった日経平均もいったん前引けの水準まで戻るものの、あえなく18800円割れ。足利HDはプラス圏でジリ貧、常陽銀行はプラスは朝だけでマイナスに沈む。横浜銀行と東日本銀行のペアと比較され、小物扱いか? 上海はマイナスのままで2時54分に18760円まで下げる。結局安値圏で大引けになり終値は170円安の18777円と数字だけは縁起が良かった。TOPIXは2ケタ安。上海総合指数は0.13%の小幅プラスで終了し、一時3%を超える下落でアメリカ海軍を呪った「株民」もホッとひと安心か?

 新規IPOが1件。結婚情報サービスのパートナーエージェント<6181>が東証マザーズに新規上場。この日は初値がつかず、公開価格1260円の2.3倍の2898円の買い気配で終了した。IT・ネット系以外では珍しい初値翌日持ち越し。成婚率は24.2%。競合が多い中、専任コンシェルジュがついて〃結果〃を早く出す「1年婚活」のコンセプトはそれほど評価が高いのだろうか? 手が早ければ結果も早く出る?

 日経平均終値は170.08円安の18777.04円、TOPIX終値は-15.88の1543.11。売買高は18億株、売買代金は2兆1764億円で様子見の薄商いが続く。値上がり銘柄数は412、値下がり銘柄数は1400。プラスの業種は小売、医薬品の2業種のみ。31業種がマイナスで、その下位は石油・石炭、鉄鋼、鉱業、保険、海運、非鉄金属などだった。

 28日の日経平均は反発。ヨーロッパ市場は軒並み安。NYダウはFOMC、アップル決算待ちで一時プラスになったもののおおむねマイナスで終値41ドル安。NASDAQ、S&P500も小幅マイナスだった。経済指標は総じて低調。9月の耐久財受注額は8月改定値から1.2%減で2カ月連続マイナス。市場予測には一致した。10月のCB消費者信頼感指数は97.6で9月の改定値から5.0ポイント低く、3ヵ月ぶりに低下し市場予測を下回った。生産指数だけでなく消費指数にもかげりが出始めた。全米小売業協会が+3.7%の6305億ドルと予測する年末商戦でどれだけ踏ん張れるか。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+5.09%で7月の+4.91%から伸び率が拡大し、1年ぶりの大幅な伸び。連邦議会では債務上限問題で民主党と共和党が歩み寄り、大統領選挙をはさんで2年先まで問題化しなくなった。

 企業決算のほうはおおむね好調で、フォードはピックアップトラック、SUVが販売好調で増収増益。EPSも市場予測よりも上。医薬品のメルク、ファイザーの決算も良かった。取引終了後発表のツイッターは増収で赤字幅縮小。EPSも市場予測より上だが通期見通し下方修正。そして最も注目されたアップルは増収増益でEPS1.96ドルで市場予測の1.87ドルを上回った。しかし、9月発売の「iPhone6s」が中国で約2倍など売れ行き好調でも、iPhone6全体の販売台数は予想の4880万台を下回る4810万台で、iPadの販売台数も予想の1010万台を下回る980万台。アラ探しをすればここが突っ込みどころか。

 長期金利は下落。原油先物は3日続落し一時43ドル割れ。金先物は小幅反落。為替レートはドル円が120円台半ばで前日とほぼ同じ。ユーロ円は133円近辺。CME先物清算値は18850円だった。

 取引時間前に9月の商業動態統計速報値が発表され、小売業販売額は-0.2%と良くなかった。百貨店やコンビニや専門店はおおむねいいがGMS(総合小売業)の苦戦が続く。日経平均は49円高の18826円で始まる。TOPIXも小幅高。売り物をさばいて午前9時2分に18822円まで下げた後、急伸して18900円突破。9時14分に18925円まで上がり、TOPIXも9時24分に1550タッチ。アリババの決算が良かったソフトバンク<9984>が急伸していた。だが、そこまで。9時台の残りの時間はズルズル90円も下げ、10時ちょうどに18815円の安値をつける。日経平均はそれでもプラスだがTOPIXはマイナス。ドル円が円高に振れていた。10時台は折り返して上昇する時間帯で、為替も反転し円安方向。TOPIXもプラス圏に戻った。上海市場はマイナスで始まりながら下げ幅を急速に圧縮してプラスにタッチ。日経平均は18880円付近まで戻る。上海は時々プラスに浮上しながらもマイナスと行ったり来たりの荒れ気味。それでも日経平均は横ばいで「中日連動」の度合いが薄れる。11時台も18870~18900円の狭いレンジでもみあい、前引けは113円高の18890円だった。

 上海は下げ幅を少し拡大して午前の取引を終える。後場の日経平均は前引けより11円ほど安い水準で再開し、いきなり下落。ドル円がやや円高に振れていた。18830円を割り込むが安値更新はせずに反発。1時台はおおむね18840~18890円のレンジで動く。FOMCの結果は今夜、日本の鉱工業生産指数は明朝、アメリカのGDPは次の夜、日銀会合はあさってで、どうしても様子見になりやすく上値追いで19000円台回復とはいかない。TOPIXは後場もたびたびマイナスになった。2時に再開した上海市場はマイナス圏で上がったり下がったり。2時台の日経平均は18880~18910円付近で動く。大引けで18900円を超え、終値は125円高の18903円。日中値幅は110円だった。TOPIXは1550に戻れずじまい。上海総合指数は終盤売り込まれ1.72%の下落で終えていた。