ハイブリッドの次の時代を見据えたレクサスが標榜する最上級車「LEXUS LF-FC」

2015年11月03日 18:26

LEXUS_TMS

コンセプトモデル「LEXUS LF-FC」は、燃料電池技術と前輪にインホイールモーターを採用した4輪駆動車、走りの楽しさも兼ね備えた燃料電池自動車(FCV)としている

 レクサスのフラッグシップ・サルーンである「LF」の将来像を示した「LEXUS LF-FC」が、30日から一般公開されている第44回東京モーターショーで世界初公開された。

 LEXUS LF-FCは、レクサスの最上級車として近未来を指し示すセダンベースのコンセプトカーだ。存在感あるデザインと先進技術の搭載によって、来るべき水素社会を見据えたモデルである。搭載するパワートレーンはレクサス車初の燃料電池技術を採用。レクサスブランドの新たな幕開けを象徴するコンセプトカーだ。

 会場で登壇したレクサス・インターナショナル・プレジデントの福市得雄氏が、「全世界で、現在販売中のレクサス車12モデルのうち2モデルはハイブリッド専用、また7モデルにハイブリッド仕様を設定し、全世界販売の約3割をハイブリッドが占めています。そのレクサスが、究極のエコカーといわれる燃料電池車/FCVを今回発表したことは、来るべき水素社会を見据えた準備が始まったということです」と宣言したコンセプトカー「LEXUS LF-FC」だ。

 レクサスは、2012年にフルモデルチェンジした「GS」発売を契機に、スピンドルグリルに代表される革新的で高いオリジナリティを持ったデザイン戦略を掲げ、エモーショナルな走り、先進的な環境・安全技術を採用してきた。

 今回のコンセプトモデル「LF-FC」は、レクサス車のフラッグシップを標榜するスタディモデルとして、独自のデザインフィロソフィーである「L-finesse」に基づいたダイナミックかつ洗練された美しさを追求。より大胆に進化したスピンドルグリルからつながる骨太な骨格となり、無駄な装飾を排除したキレイな造形となっている。ボディサイズは全長×全幅×全高が、5300×2000×1410mmと発表されている。

 パワーユニットには、燃料電池技術と前輪にインホイールモーターを採用し、走りの楽しさも兼ね備えた燃料電池自動車(FCV)としている。高出力のFCスタックとパワーコントロールユニットをエンジンルーム内に配置、水素タンクをT字型に配置し、最適な前後重量配分を実現することで、優れた操舵応答性を確保したという。また、メイン駆動を後輪とし、前輪には、軽量かつ高出力のインホイールモーターを搭載することで四輪駆動仕様となり、前後輪の駆動力制御をきめ細かく行ない、安全かつ高次元な操縦安定性を実現する。

 もちろん自動運転時代の到来も見据えている。自動運転」技術ですべての乗員が、安全でスムーズ、自由に移動できることを追求。従来からのレクサスの「統合安全コンセプト」に基づいた安全技術はすべて網羅する。加えて、クルマが高度な認識・予測判断を行う「運転知能(Driving Intelligence)」、車車間・路車間通信を活用した「つながる(Connected Intelligence)」、さらにドライバーの状態認識や、ドライバーとクルマが連携しチームメイトの様に助け合う「人とクルマの協調(Interactive Intelligence)」を含んだ自動運転技術を搭載する。(編集担当:吉田恒)