上海市場はマイナスにもなったが小幅プラスで午前の取引を終了。日経平均は前引けより少し高く後場をスタート。すぐに19980円を超え、本日3回目の2万円タッチのチャンス到来。先物は三たび2万円にタッチする。しかし日経平均は前場の高値も更新できず、午後0時台のチャンスもフイにした。1時台も先物が2万円にタッチするが高値を取れず、高値圏の19970~19990円の狭いレンジで動く。それも1時30分前後までで、あとは電池が切れたように19960円台に下落。上海市場の午後の取引は小幅プラスで再開し横ばい。政府の「一億総活躍社会」の緊急対策はまだ出ないが、自民党税調が訪日外国人の消費税免税枠を1万円以上から5000円以上に引き下げる検討に入ったというニュースが入った。日経平均は反応し19970円台に上昇するが、すぐ息切れ。上海市場はプラスを維持するが、為替が徐々に円高方向に向かって2時台後半の日経平均は19940円台まで下げる。終盤は上値を追うエネルギーはもう残っておらず、逆に下げ幅を拡大し2万円はまぼろしの彼方に遠ざかる。終値は96円高の19944円で、2万円まであと56円。日中値幅は66円。感謝祭ウィークで海外勢の参加が少ないため先物は2万円タッチがやっとで、よほどの好材料がなければポジションが密集するこの心理的節目を突き抜けられない。この日、現物は先物より10円ぐらい下でずっと推移していたので、上がつかえては2万円にタッチできないのも致し方なかった。TOPIXは1600台を堅持。上海総合指数は終盤マイナスに落ちて0.33%安だった。
日経平均終値は96.83円高の19944.41円、TOPIX終値は+7.65の1602.32。売買高は18億株、売買代金は2兆739億円で大引け間際ギリギリで2兆円台に滑り込み。値上がり銘柄数は1064、値下がり銘柄数は712。28業種がプラスで、上位は建設、情報・通信、その他金融、輸送用機器、非鉄金属、水産・農林など。マイナスはパルプ・紙、繊維、石油・石炭、電気機器、鉱業の5業種だった。
27日の日経平均は反落。アメリカの株式市場、債券市場、NYMEXやCMEなど商品先物市場は感謝祭の祝日で休場。朝方の為替レートはドル円は122円台後半、ユーロ円は130円近辺で、ECBの追加緩和期待によるユーロ安が進んだ。そのためヨーロッパ株式市場は軒並み続伸。政府は前日夕方に「一億総活躍社会」の実現に向けた緊急対策を発表。2020年初頭までに介護施設を50万人分増やし、在宅サービスやサービス付き高齢者向け住宅などを整備して「介護離職」解消を目指す。子育て関連では認可保育園などを整備し、受け皿を2017年度末までに50万人増やす。児童扶養手当も充実させる。最低賃金の年3%程度の引き上げ、低年金受給者への支援も実施。予算規模は補正予算編成後に決まる。首相官邸は来年度、法人実効税率を現在の32.11%から20%台に引き下げるよう、財務省、経産省に検討を指示した。
月末の金曜日なので、取引開始前に政府のマクロ経済指標が集中的に発表された。10月の労働力調査は、有効求人倍率は1.24倍で9月から横ばいで市場予測と同じ。完全失業率は3.1%で9月から0.3ポイント改善し1995年7月以来、20年3ヵ月ぶりの低水準。市場予測の3.4%よりも良かった。家計調査の二人以上世帯実質消費支出は-2.4%で2ヵ月連続の低下。市場予測のプラスマイナスゼロよりも良かった。消費者物価指数(CPI)は、10月全国は-0.1%で3ヵ月連続の下落。原油安でガソリン価格が前月比で19.2%低下したのが効いた。11月東京都区部はプラスマイナスゼロだった。
大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は何度も2万円にタッチし、高値は20010円、終値は2万円。それを受けて日経平均は49円高の19994円で始まる。2万円まであと6円に接近。政策の後押しも受けて2万円乗せのチャンスかと思いきや、それを「寄り高」に下落してしまいタッチできない。それでも午前10時30分頃まではプラス圏にとどまっていたが、マイナスで始まった上海が2万円タッチの野望を無残に打ち砕く。工業企業利益の悪さに加え上海証券取引所のIPO再開への警戒感も出たが、東京ではザラ場の格好の売り口実。日経平均はマイナス圏の19900円割れまで急落し、10時54分の安値19831円まで下げ幅は150円を超えた。利益確定売りの金曜日ではあるが、タッチできる時にタッチしておかないと、こんな事態になる。TOPIXも1600を大きく割り込んだ。11時台には戻して、前引けは49円安の19894円だった。
上海市場は下げ幅を1%以上に拡大して午前の取引を終え、後場の日経平均は前引けより30円ほど安く再開。午後0時台は日経平均は19880円付近、TOPIXは1594付近で小動きする。1時台の日経平均はいったん19900円付近まで上がるが、その後はジワジワと19860円台まで下落していく。海外勢の多くが休んでいるため薄商いで、後場の変動幅は小さい。2時を回るとすぐ19890円付近までいったん上昇するが、再開した上海市場が一時3%安付近まで下落幅を拡大すると連れ安し、19850円付近まで下げる。それでも終盤は戻して週間騰落をプラスに変え、60円安の19883円で反落した。日中値幅は162円だが後場の値幅はわずか48円。TOPIXは日経平均よりも下落幅が大きかった。上海総合指数は終盤もどんどん下落幅を拡大して-5%をオーバーし、5.48%の大幅安で終えた。
新規IPOが1件。ウェブ技術をベースとするグループウェアとその関連製品・サービスの開発、販売を手がけるネオジャパン<3921>が東証マザーズに新規上場。この日は初値がつかず、公開価格2900円に対して2.3倍の6670円の買い気配で終了した。さすがは人気のIT・ネット関連銘柄。
日経平均終値は60.47円安の19883.94円、TOPIX終値は-7.87の1594.45。売買高は18億株で20億株割れ。売買代金は1兆9929億円で10月22日以来の2兆円割れを喫した。値上がり銘柄数は648、値下がり銘柄数は1141。上昇したセクターは鉱業、海運、非鉄金属、倉庫、水産・農林の5業種。機械セクター1業種はプラスマイナスゼロで、27のセクターがマイナス。その下位は空運、電気・ガス、パルプ・紙、その他製品、ガラス・土石、陸運などだった。
今週の星取は2勝2敗。前週末20日の終値19879.81円から4.13円上昇して今週の取引を終えた。たったの4円高でも週間騰落は6週連続でプラスが続いている。(編集担当:寺尾淳)