24日の日経平均は5日続伸したが2万円には一度も届かず。前週末20日のNYダウは91ドル高。ECBのドラギ総裁が講演して追加緩和に言及。一方、フィッシャーFRB副議長に続きセントルイス連銀のブラード総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、NY連銀のダドリー総裁も講演で利上げに積極的な発言で、12月の米欧の金融政策イベントが固まりつつある。ナイキが増配、自社株買い、株式分割というトリプルの株主還元策を発表して急騰し、それが刺激になった。CME先物清算値は19930円だった。
週明け23日のNYダウは31ドル安でNASDAQ、S&P500も小幅マイナス。取引所がフルタイムで開くのは前半3日間だけの感謝祭ウィークで市場参加者が少なく、「閑散に売りなし」ながらプラスを終盤まで維持できなかった。上海総合指数は終盤売り込まれ0.56%安。EU本部があるベルギーの首都ブリュッセルでは24日まで地下鉄が全部止まる厳戒体制が敷かれ、テロリスト拘束作戦を展開。ユーロ圏PMIは+0.5ポイントの54.4で2011年5月以来の高水準だった。ドイツが良く、フランスも-1.3ポイントにとどまり依然50オーバー。ただしテロ以前に回収した回答も混じる。ヨーロッパ市場は軒並み小幅安。アメリカの製造業PMIは52.6で市場予測を下回り2013年10月以来の低水準に沈んだ。中古住宅販売件数は3.4%減の536万戸で市場予測の540万戸にわずかに届かないが高水準。原油先物の下落を受けエネルギー関連が軟調。アイルランドのアラガンを1600億ドルで買収すると発表したファイザーも下落した。世界最大の製薬企業になるが本社をNYではなく法人税が安いダブリンに置くため、連邦政府は「アンフェア」と批判した。約3600万人いるというアイリッシュ・アメリカンはどう思う? 為替がドル安に動いたため金先物は大幅続落で2010年2月以来の安値。24日朝方のドル円は122円台後半。ユーロも売られユーロ円は130円台半ば。CME日経平均先物は何度も2万円にタッチしたが、為替が円高に動いたため19800円台まで下落し、清算値は19865円だった。
政府が22日、全国平均798円の最低賃金を毎年3%程度増やす目標を設ける検討に入ると報じられた。単純計算で初年度は821円に上がるが、野党の一部が求める1000円に達するのは8年後の2023年。22日のアルゼンチンの大統領選挙の決選投票で野党候補が僅差で勝利するとブエノスアイレス市場の株価指数が暴落したというニュースが入った。世界のどこからタマが飛んでくるかわからない。日経平均は3.82円安の19875円で始まる。TOPIXは1600台を守ってスタート。午前9時15分に19849円まで下落し、TOPIXも1600を割るが、9時27分にはプラスに転じて19904円まで上がる乱高下。TOPIXはプラスに届かない。日経平均は10時までに再びマイナス圏に落ち、10~20円安の19870円前後の水準で落ち着く。TOPIXは1600近辺での値動きで、どちらも小幅安。
上海市場は小幅続落で始まったが、日本時間の10時45分頃からにわかに下げ幅拡大。日経平均も「中日連動」して下落する。8月下旬の「暗黒の3日間」に日経平均を2万円台から無残に陥落させた上海市場との腐れ縁は、まだまだ断てないらしい。4日続伸の反動もあり為替の円高を伴った先物主導の下げで19850円も割り込み、11時ちょうどに19834円まで下落。前週末20日、大引け間際の土壇場でプラスになった「不思議の勝ち」のツケも支払わされる。負けに不思議の負けなしかと思えば、上海とともに下げ止まって反転し、11時台は19850円を再び超える。甘利大臣が閣議後の記者会見で「最低賃金の引き上げ幅は経済成長に見合ったものにしなければならない」と発言していた。今週は政策の週。19870円付近まで戻して前引けは16円安の19863円。TOPIXは1600台に戻った。
上海市場は1%未満のマイナスで午前の取引を終えた。日経平均は前引けとほぼ同水準で再開する。午後1時前に異変発生。一気にプラスに浮上し、19900円も突破し1時ちょうどには19917円まで上昇する。細かい上下動を繰り返しながら1時台は19930円台まで上がる。TOPIXもプラスに浮上。3.5兆円規模という補正予算編成への政策期待強し。2時に10月の全国スーパー売上高が発表され、既存店ベースは前年同月比2.8%増で7ヵ月連続のプラス。食料品が3.5%で大きな増加。上海市場はマイナスで再開するが、いったん凹んだ後に徐々に下げ幅を圧縮する展開。日経平均もいったん少し凹んだ後、2時台後半はこの日の高値を更新しながら上げていく。2時42分に19954円まで上昇し、2万円まであと46円。そこで折り返して下げるのも、上海市場とピタリ息のあったステップ。終盤は19950円付近で上値を抑えられ、伸びきれない。上海もプラスに浮上できずモタモタ。そのまま東京市場が先に終了し、45円高の19924円で5日続伸。過去15年間で14勝1敗のアノマリーは今年も生きていたが、2万円突破はこれで3営業日おあずけ。日経平均先物日中取引終値は19960円で2万円まであと40円。上海総合指数は最終盤でプラスに浮上して+0.16%と小幅に反発した。
19日に東証マザーズに新規上場したが、初値が2営業日も持ち越しになっていたロゼッタ<6182>に9時00分、初値がついた。公開価格695円に対し5.33倍の3705円。さらに一時はストップ高になり、乱高下はしたが終値は3850円。自動翻訳サービス、人による翻訳、通訳、企業向けの語学研修事業を行い、日本人の語学コンプレックスの克服が企業理念。テロが起ころうとビジネスのグローバル化、訪日外国人のインバウンド消費、東京五輪の「お・も・て・な・し」で、翻訳、通訳のニーズは高まるばかり。
日経平均終値は45.08円高の19924.89円、TOPIX終値は+2.76の1605.94。売買高は20億株、売買代金は2兆2809億円。値上がり銘柄数は1236、値下がり銘柄数は554。22業種が上昇し、上位は金属製品、建設、医薬品、サービス、小売、海運など。11業種が下落し、下位は保険、空運、電気・ガス、銀行、情報・通信、ゴム製品などだった。
25日の日経平均は6日ぶりに反落。NYダウは19ドル高。NASDAQ、S&P500も小幅高。フランスが空母艦載機でシリアを空爆する一方、シリア国境付近で領空侵犯をしたと、トルコ軍機がロシア軍機スホイ24を撃墜。フランスのテロを受けて連帯を強めていたはずの包囲網に亀裂が入った。パラシュート降下したパイロット2人がシリアの反政府武装勢力に殺害され、救出ミッションのヘリまで撃墜されるという事態。ロシアのプーチン大統領は激怒してトルコを「テロリストの手先」と非難し、ラブロフ外相のトルコ訪問が中止された。ホワイトハウスで行われた米仏首脳会談では両首脳がロシアに冷静な対応を求めた。それに先立ってアメリカ政府はテロの危険があると、国民に海外渡航自粛勧告を出している。地政学的リスクでヨーロッパ市場は軒並み大幅安。ダウは午前中は航空株を中心にマイナスだったが、午後は原油高に反応したエネルギー関連株の上昇に引っ張られてプラスに浮上し、最後まで小幅高水準を保った。