24日の日経平均は今年最大の大幅安で5日続落。前週末21日のNYダウは、中国のHSBC改め財新(Caixin)製造業PMIの悪化に週末要因も重なり、世界同時株安を止められずに530ドル安で、4年ぶりの大幅安。直近ピークからの下落率は10%を超えた。原油先物価格は一時40ドルを下回り、21日のシカゴVIX指数(恐怖指数)は28.03で前日比で46.45%も急上昇し、3年8ヵ月ぶりの高水準。CME先物清算値は19000円を割り込んで18970円だった。「9月の利上げはなし」という見方が台頭してドル安が進行し、24日朝方の為替レートはドル円は121円台後半、ユーロ円は138円台半ば。
株安の地球周回を止める役回りは週明けの東京市場に託されたが、日経平均は連日の大マドを空けて360円安の19075円で始まる。TOPIXは30ポイント安で今週の取引スタート。序盤で売り気配の銘柄に値がつくと、4月1日以来の19000円の大台割れを起こし午前9時11分に18928円まで下げるが、そこで売り物をさばいて19000円付近まで戻す。ここから先は上がるだけ? 19000~19100円のレンジで小動きして10時台の上海市場の開始を待つ。しかし前週11.54%も下げながら上海市場は月曜日もマイナスで始まり、下げ幅を拡大して7%を超える。外国人投資家も売買できる上海B株指数の下落はもっとひどくストップ安銘柄続出。中国政府が自国の年金資金に総資金の3割まで株式での運用を許すと報じられたが、全く効果がなかった。日経平均は再び19000円を割り込み、200日移動平均線でも18900円でも止まらない。11時台も安値圏低迷の状況は変わらず、18800円も下回り11時23分に18797円の安値をつける。前引けは623円安の18812円だった。TOPIXは-60ポイントまで下げ幅拡大。
上海総合指数は8.45%の大幅安で午前の取引を終え、香港ハンセン指数は7日続落。中国・山東省の化学工場、相模原市の米陸軍補給廠の爆発に続き、新日鐵住金<5401>の関連会社の川崎市にある鋼管工場でも火災発生。為替のドル円はリスク回避の円買いでさらに円高が進行し120円台後半。後場の日経平均はドンと下がって19600円台前半で再開し、午後0時35分に872円安の18563円まで下落する。TOPIXは2月24日以来の1500割れ。投資家が証券会社から「追証(信用取引の追加証拠金)」の差し入れを求められ見切り売りが出ているという観測まで流れたが、「追証」という言葉を聞くのは昨年1~2月の低迷期以来のこと。
1時を回るとドル円が121円台に戻り、鬼(上海市場)の居ぬ間の洗濯なのか徐々に回復して前引け水準を超え18800円台まで戻すが、そこで折り返して18700円付近でもみあい、回復力は弱い。2時に6月の景気動向指数の改定値が発表され、一致指数は速報値から上方修正され+1.0ポイントの112.3、先行指数は+0.5ポイントの106.5で、景気の基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。鬼の上海は再開したが午後も反転の兆しはない。日経平均は安値を更新しながら下落し18600円だけでなく18500円も割り込み、2時13分に18498円まで下落した。これは937円安で、1日だけで前週の週間騰落1083円安に近づく。いったん18600円台まで戻しても、ドル円が再び121円を割り込むと下押しされ、終盤になっても18500円台にとどまり895円安の18540円、5日続落で終えた。これは2月23日以来の水準。マイナス幅は「バーナンキ・ショック」で下げた2013年6月13日の843円安をしのぎ、2012年11月のアベノミクス相場開始以来最悪になった。TOPIXは安値引けで日経平均より下落率が大きく、2年前のあの「5.23大暴落」以来の大きさ。上海市場は結局8.49%の下落し、6月12日の年初来高値からの下落率は38.0%に達した。日経平均の年初来高値から下落率も11.5%と2ケタになった。
日経平均終値は895.15円安の18540.68円、TOPIX終値は-92.14の1480.87。売買高は39億株、売買代金は4兆1075億円という大々商いで、セリング・クライマックスというよりもセリング・パニック。東証1部の値上がり銘柄数はたった8銘柄で、第一工業製薬<4461>、サッポロHD<2501>、ジャパンパイル<5288>、アグロカネショウ<4955>、日本電子<6951>、神戸物産<3038>、乾汽船<7308>、アイフル<8515>。兜町界隈では縁起を担いでこの日、サッポロビールが売れ、チワワが撫でられるか? 値下がり銘柄数は1880。21日に続いて全33業種がマイナスで、下落率が小さいのは水産・農林、鉱業、繊維、食料品、パルプ・紙、倉庫など。下落率が大きいのは銀行、不動産、鉄鋼、保険、空運、その他金融などだった。金利敏感セクターのきつい下げは、マーケットから日銀に対して追加緩和の贈り物を求めるプレッシャーとも解釈できそうだ。
25日の日経平均は乱高下の末に大幅安で6日続落。週明け24日のNYダウは開始直後に一時、前週末比1089ドルの下落を喫しサーキット・ブレーカー発動という異例の事態になったが、その後は持ち直し終値は588ドル安。シカゴVIX指数(恐怖指数)は一時53.29まではね上がったが、アルゴリズム取引の影響も受けた過剰反応のようで戻りも早く、ただの調整局面。原油先物価格は一時38ドルを割り、米国債が買われ長期金利は低下したが、金先物価格が4日ぶりに反落したのは決してパラダイム・シフトなどではない証拠か。為替も過剰反応で、ドル円はNY時間で一時、1月以来の116円台まで円が急騰し1日で6円も動いたが、25日朝方は118円台半ば。ユーロ円は137円台前半だった。CME先物清算値は17810円まで下落した。