【今週の振り返り】安値引けを高値引けで6割戻し189円下落の週

2015年09月26日 20:31

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フォルクスワーゲンでここまで下げるか。24日は安値引けの498円安。安倍首相が黒田日銀総裁と会談すると、25日は高値引けの308円高。

 24日の日経平均は大幅続落。前週末18日のNYダウは290ドル安、週明け21日は125ドル高、22日は179ドル安、23日は50ドル安と続落した。日本の5連休中にしめて400ドル近い下げになった。利上げ見送り後、FOMCメンバーから年内利上げ支持発言が相次いだが、投資家心理は安定せず3ケタのアップダウンが3日続き、23日は終値でやや落ち着いた。20日のギリシャの総選挙はチプラス前政権の与党が勝利。22日、フォルクスワーゲン(VW)がアメリカで排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアを搭載した不祥事が発覚してヨーロッパ市場やNY市場の自動車関連銘柄が売られた。23日はVWのヴンターコーン社長が辞任してヨーロッパ市場は反発したが、NYダウは原油安が重し。製造業PMI速報値は53.0で横ばいだった。

 上海総合指数は、21日は+1.8%、22日は+0.92%で3日続伸したが、23日は-2.19%で反落した。23日発表の中国の財新の9月の製造業PMI速報値は47.0で8月確報値を0.3ポイント下回り、6年半ぶりの低水準で50を7カ月連続で下回った。為替のドル円は120円台前半、ユーロ円は134円台半ばで、CME先物清算値は17575円。9月配当落ち分は約100円と推定される。

 日経・テレビ東京の緊急世論調査で安倍内閣支持率が46%から40%に低下し、不支持率はそれを上回る47%。5連休中、2010年に導入された東証の現物株売買システム「アローヘッド」が5年ぶりに更新されて稼働開始。1日の処理能力が2倍の2.7億件になり、注文受付時間も半分の0.5ミリ秒以下に短縮された。トラブルなく日経平均は266円安の17803円で始まる。あっさり18000円割れ。TOPIXも2ケタ安。VWの敵失で有利になるはずのトヨタ<7203>も84円安で始まり、自動車業界は一蓮托生。

 序盤の日経平均は17800円を割り込んで推移し、午前10時1分には17700円も割って17693円の安値をつけるが、CME清算値+配当落ち分の底(17675円)は抜けない。5連休明けで投資家がポジションを組み立て直しているためか売買が非常に多い。10時台前半は17700円そこそこで動き、上海市場がプラスで始まると17800円に迫りながらも腰折れし17700円割れする。完成車メーカーもVWと取引関係がある自動車部品大手も軒並み安い「VWショック」におおわれ、ソフトバンクG<9984>も安い。11時台は上海の下落に伴い安値を更新しながら下げ続け、安倍首相が夕方の総裁再選正式決定後の記者会見で新経済政策を発表するニュースにも全く反応せず、11時26分に17630円の安値をつけ、前引けは422円安の17647円だった。

 上海市場は一時マイナスになったが午前中の取引をわずかなプラスで終える。日経平均はほぼ前引け水準で再開し、後場は17700円台にタッチしながらおおむね17600円台後半で一進一退し、動きが乏しくなる。イトーヨーカ堂の40店舗閉鎖が大きな話題だが、2時に発表された全国スーパー売上高は+2.0%で5ヵ月連続のプラス。セブン&アイHD<3382>は3ケタのプラス。上海市場は2時にわずかなプラスで再開するが、小幅高で値動きは安定的。しかし終盤の日経平均は17600円台前半に下がり、最後は安値を更新しながら17600円も割り込んで498円安の17571円で安値引け。TOPIXもJPX日経400も日経平均先物日中取引もみんな安値引けの悲劇的結末だった。トヨタも安値引けで134円安。上海総合指数は0.86%高で終了。4時発表の8月の全国コンビニ売上高は1.7%増で5カ月連続プラスだった。

 日経平均終値は498.38円安の17571.83円、TOPIX終値は-35.41の1426.97。売買高は23億株、売買代金は2兆7465億円、値上がり銘柄数は193、値下がり銘柄数は1673。値上がりセクターは小売1業種のみ。値下がりセクターは32業種で下位は機械、非鉄金属、鉄鋼、電気機器、ガラス・土石、金属製品、証券などだった。

 25日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。フォルクスワーゲンの不正がヨーロッパでも行われていた疑惑が浮上した他、資源国ノルウェーが利下げを発表してヨーロッパは軒並み安。特にフランクフルト市場はひどくDAX指数は年初来安値更新。NYダウは一時16000ドル割れに接近したが終盤戻して78ドル安。建機のキャタピラーが今年3回目の通期売上高見通しの下方修正をして4期連続の減収で、1万人の人員削減を発表したため弱気相場が続く。8月の耐久財受注額は-2%で3ヵ月ぶりのマイナスながら市場予測通り。8月の新築住宅販売件数は+5.7%と好調だった。最近のアメリカは「生産指標不調、消費指標好調」の傾向。原油先物は小幅高、金先物は続伸。為替のドル円はリスク回避の円買いで120円前半、ユーロ円は134円台前半で、CME先物清算値は17415円と低迷した。

 安倍首相は前日夕方の記者会見で、「アベノミクスは第2ステージに移る」「一億総活躍社会をめざす」と述べ、政策の重点「新・三本の矢」として「強い経済」「子育て支援」「社会保障」の3分野を掲げた。出生率1.8%、介護離職ゼロ。年に実質2%、名目3%ペースの経済成長で2020年に名目GDP600兆円を達成するという目標を示した。