【今週の展望】恐怖指数が低下したメジャーSQ週は怖くない

2015年12月06日 20:34

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恐怖指数は日米とも3ヵ月前の3~4割減。だから9月のメジャーSQ週の433円安、1343円高の大乱高下劇が再び演じられる可能性は低い

 4日に発表されたアメリカの雇用統計は非農業部門雇用者数が21.1%増。市場予測の20万人は上回ったが、10月分が29.8万人(修正値)でポジティブサプライズだっただけにやや物足りなさが残る。失業率は5.0%、平均時給は+2.3%で10月と同じ。労働参加率は62.5%で前月比で0.1ポイント上昇した。NYダウは369ドル高で終え、前日の252ドル安を取り返して117ドルのおつりがきた。CME先物清算値は19710円で、これが今週の日経平均の値動きの基点になりそうだ。

 それを前提に4日終値19504.48円のテクニカル・ポジションを確認しておくと、5日移動平均の19828円、25日移動平均の19578円は上にあり、200日移動平均の19462円、75日移動平均の18812円は下にある。3日終値時点では移動平均は全部下にあったが、「ドラギ・ショック」の大幅安で4日後場には一時、200日線も下回った時間帯があった。

 ボリンジャーバンドでは4日終値は25日線-1σの19212円と+1σの19944円の間のニュートラルなゾーンに位置している。+2σは20310円。日足一目均衡表の「雲」は18289~18802円にある。今週は上限が18785円から18711円まで下がり、下限が18363円から18486円まで上がって、11日と12日の間で「ねじれ」を起こす。ねじれの影響が出るのは来週初めになりそうだ。

 オシレーター系指標は、3日終値時点では騰落レシオ、RCI、ストキャスティクスに3個の「買われすぎ」シグナルが点灯していたが、4日に全て消灯した。ドラギ・マジックおそるべし。4日終値時点で25日騰落レシオは113.9、25日移動平均乖離率は-0.4%で久々のマイナス、RSI(相対力指数)は47.5、RCI(順位相関指数)は+23.8、サイコロジカルラインは7勝5敗で58.3%、ストキャスティクス(9日Fast/%D)は44.4、ボリュームレシオは57.0だった。

 テクニカル指標は総じて言えば、移動平均線もボリンジャーバンドもオシレーター系指標も、買われすぎでも売られすぎでもない純正中立ポジション。上にも下にも等しく動ける。今週は19710円付近でスタートしても、火曜、水曜に「鬼門」がくるSQ週で、しかも先物も加わるメジャーSQなので、大きく下げる局面を覚悟しなければならない。

 値動きに影響する需給データを見ると、前々週の2万円接近前から需給に少し変化が現れている。3日に東証が発表した11月第4週(24~27日)の投資主体別株式売買動向によると、外国人は6週連続の買い越しでも買越額はその前の週の2447億円からわずか7億円に激減した。個人は9週連続の売り越しで売越額は230億円、信託銀行は5週ぶりに買い越しに転じ買越額は247億円だった。「需給三国志」は外国人が中立で個人と信託銀行の売り買いがほぼ均衡するというイレギュラーな形になっていた。11月27日時点の信用倍率は4週ぶりに上昇に転じ4.33。裁定買い残は329億円増の3兆5983億円だった。カラ売り比率は前週は30%台で推移し、4日は36.3%。高めではあるが10、11月のような40%台は見られなくなった。

 需給データから、2万円回復を目指してサポートしてくれた外国人の買い支えの勢いが衰えているのがわかる。やはり、ポジションが密集する2万円に接近すると利益確定売りが入ることを裏付ける。そのため2万円にタッチするのと比べれば、2万円台に定着するのは数倍難しくなっている。今週も前週に引き続き、2万円が「ガラスの天井」になって上値が追い返される傾向が続くだろう。

 一方、下値のほうは、今月のSQはメジャーSQなので鬼門の火曜、水曜に大崩壊の恐れあり、とは言えない。前回の9月のメジャーSQ週の火曜の8日は433円安、水曜の9日は1343円高という大乱高下のドラマをみせたが、それから3ヵ月が経過し世界は「チャイナ・パニック」を克服して落ち着きを取り戻している。その心理を数値化した「恐怖指数」を見ると、8月に40.74まで上がったシカゴVIX指数は4日は14.81、8月に47.01まで上がった日経平均VIは22.00まで、それぞれ大きく下がっている。日経平均VIは前週3日に「暗黒の3日間」直前の8月20日以来久しぶりに一時20を割り込んだ。前回メジャーSQの「鬼門」9月8、9日の水準と比べても、シカゴVIX指数は約4割減で、日経平均VIは約3分の2になっている。

 そんな状況なので、「ドラギ・ショック」の4日に435円も下げたのは例外的で、もし魔が差したように鬼門の8日火曜日のGDP改定値、景気ウォッチャー調査、9日水曜日の機械受注が悪化に次ぐ悪化だったとしても、終値の1日あたりの下落幅は200~300円程度で止まるだろう。よほどのことがない限り今週は日経平均19000円割れという事態は起きず、200日移動平均の19462円を下回ってもボリンジャーバンドの25日線-1σの19212円あたりが下値の限界になるとみる。1ヵ月かけて積み上げてきた19000円台の1000円幅がたったの3日や4日で崩れ落ちるのは、8月下旬のような特殊なケースに限られる。夏の終わりと師走の今とでは、状況はまるで異なっている。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは19200~20000円とみる。

 マーケットは、時には「神の手」も伸びてくれば、裏切り者もいれば悪女もいて、天使もいれば悪魔もいるラビリンス。だが清々しい花も、毒々しい花も、花園を彩ってくれる花には変わりない。「われにつきゐしサタン離れぬ曼珠沙華」(杉田久女)(編集担当:寺尾淳)