お正月の楽しみといえば「福袋」。デパートや量販店、小売店、様々な店舗で福袋は販売されて、初売りの目玉となる。ところが、若者たちの間でとくに注目度の高いAppleの福袋「Lucky Bag」が、2016年の販売を行わないと公式に発表した。AppleのLucky Bagは、毎年、徹夜組が出るほどの人気のはず。アップルジャパンは中止の理由として「全世界のアップルストア共通で、均質なサービスを提供するという方針のため」と説明している。
一方、家電量販店の福袋は発売前から好調のようだ。例えばヨドバシカメラは12月17日に同社通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で福袋「2016年夢のお年玉箱」の予約受付を開始したものの、予約が殺到する事態となり受付を中止。数日後に再開した。また、ビックカメラ<3048>も、12月25日から自社のネット通販サイト「ビックカメラ.com」で2016年元日に配送予定の福袋の予約受付を開始したが、アクセスが集中して購入できない状況が続いたため、販売を休止する事態となっている。
家電系だけでなく、近年はインターネット通販での福袋が人気のようだ。販売店の方も、オンライン限定商品なども豊富に取り揃え、店舗販売と差別化することで顧客の獲得に余念がない。
例えば、三越百貨店<3099>がWeb限定で取り扱っている食料品の中に、ドイツの有名な加工肉ブランド「ケーファー」の福袋がある。本場ドイツの人気ソーセージやハムが半額程度の値段になって入っているので人気が高く、毎年発売するとすぐに売り切れてしまうそうだ。イギリス生まれの自然派化粧品で人気のTHE BODY SHOPも、店舗での初売りよりも一足早く、年末からLucky Bagの販売をオンライン限定で開始している。
初詣の帰りに店舗に立ち寄って運だめしをするイベント的な面白さも福袋の魅力だが、「お得」という面だけを重視するのならば、オンライン福袋は手軽で合理的だし、限定商品も多くて、店舗購入とはまた違った魅力と驚きがある。スマホなどの普及も手伝って、市場も急速に拡大している。意外なオンライン福袋も多数登場しているので、好みのブランドや食料品などがあれば、一度、オンライン福袋をチェックしてみてはいかがだろうか。(編集担当:石井絢子)