2015年、日本国内の輸入車販売台数でトップに立ったメルセデス・ベンツ。販売台数は6万5162台(前年比107.1%)だ。写真は昨年日本上陸したミッドサイズの人気SUV「GLE350ブルーテック4マティック」、価格は1000万円
先般、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2015年暦年の新車販売統計の数字を報告した。昨年の新車(乗用車・登録車)販売は270万4485台(前年比94.5%)で、国産と輸入車の内訳は、国産239万1404台(同94.1%)、輸入車31万3081台(同97.9%)だった。
加えて、全国軽自動車協会連合会と日本自動車輸入組合が発表した同時期のブランド別販売状況がわかった。
新車販売の数字を総合すると、乗用車販売ナンバーワンとなったのは、久しぶりに登録車(5ナンバーの小型車)のトヨタ・アクアで21万5525台(前年比92.4%)。2位のホンダN-BOXの18万4920台(同102.8%)に大きな差を付けた結果となった。昨年まで上位車種を軽自動車に席巻されていたのと対照的な結果だ。
ただし、3位にはダイハツ・タント15万7756台(同67.3%)、4位は日産デイズ15万0696台(同89.0%)と続き、5位にやっとトヨタ・プリウス12万7403台がランクインする。この結果、ホンダと日産は、最量販車種が軽自動車となった。日産が三菱からOEM供給を受けている軽自動車の自社生産に乗り出したい気持ちも分かる数字といえる。
軽乗用車の暦年販売台数は、151万1404台(同82.2%)で、この大幅な落ち込みは、昨年3月までの軽自動車増税前駆け込み需要の影響を抜け出すまで続くと思われる。
一方、日本自動車輸入組合(JAIA)の輸入車統計に眼を移すと、海外メーカーの乗用車暦年販売は、28万4471台(前年比98.5%)だった。ニュースは、今世紀に入って2014年まで輸入車販売で首位を堅持してきたフォルクスワーゲン(VW)が2位に陥落したことか。原因は、言うまでもなく例の排気ガス規制違反だ。代わって輸入車トップとなったのが、メルセデス・ベンツだ。2015年の販売台数は6万5162台(同107.1%)となった。翻ってVWは5万4766台(81.2%)と大きな落ち込みで2位となった。それでも、3位BMW・4万6229台(同101.3%)、4位アウディ・2万9414台(同93.6%)とドイツ四天王の座は守った恰好だ。
軽自動車が増税の影響で失速気味のなか、輸入車はVW以外堅調だったと見るべきか。VWのような比較的リーズナブルなクルマではなく、比較的高価格帯のモデルを揃えたメルセデスが売上を伸ばしたあたりに、クラスマーケットが日本でも育ちはじめているという証左か。(編集担当:吉田恒)