驚くべきは、ヴォクシーの9万2546台に加え、ノア5万3963台(16位/77.5%)、エスクァイア5万9034台(12位/535.2%)を合わせて、何と20万5543に達するトヨタ・ミニバン3兄弟。写真は2014年10月にラインアップに加わったエスクァイア
一般社団法人の日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2015年暦年の新車販売統計によれば、昨年の新車(乗用車・登録車)販売は270万4485台(前年比94.5%)だった。国産と輸入車の内訳は、国産239万1404台(同94.1%)、輸入車31万3081台(同97.9%)だ。
また、全国軽自動車協会連合会が発表した同時期の軽乗用車の販売台数は、151万1404台(同82.2%)だった。軽自動車の大幅な落ち込みは、昨年4月から実施された軽自動車税のアップの影響と見るのが一般的で、3月までの駆け込み需要の影響が2016年3月まで続くと思われる。
登録車のメーカーで唯一前年実績を上回ったのはマツダだ。販売台数18万7263台(同122.6%)とし、スカイアクティブ技術によるクリーンディーゼルエンジン搭載車が消費者から高く評価されたようだ。
登録車の車名別ランキングでは、1位はハイブリッド車(HV)の「トヨタ・アクア」21万5525台(92.4%)と唯一20万台超を達成。2位もHVの「トヨタ・プリウス」12万7403台(69.4%)、3位もHVをラインアップする「ホンダ・フィット」11万9846台(59.1%)とコンパクトHVの不動3車種となった。4位には伏兵とも思える「トヨタ・カローラ」10万9027台(95.4%)が飛び込んで、HVとマイナーチェンジ効果で根強い人気を示した。5位以下、10位までの車名を挙げると「日産ノート」「トヨタ・ヴォクシー」「トヨタ・ヴィッツ」「マツダ・デミオ」「ホンダ・ヴェゼル」「トヨタ・シエンタ」となり、ノート、ヴィッツ、デミオを除くモデルにはHVがラインアップされている。
車名別販売台数で特徴を探すと、ホンダ・ヴェゼルが7万1021台(74.0%)となりSUV新車販売台数で2年連続1位。トヨタ・ヴォクシーが9万2546台(84.8%)でミニバン2年連続No.1を達成した。
統計を仔細にみると、6位のヴォクシーを含めたトヨタ・ノア3兄弟の強さに驚かされる。ヴォクシーの9万2546台に加え、ノア5万3963台(16位/77.5%)、エスクァイア5万9034台(12位/535.2%)を合わせて、何と20万5543台。いずれもハイブリッド車をラインアップしており、3車種合計でアクアに迫る20万台超となる。
国産ハイト系ミニバンはグローバルで見ると特殊なカテゴリーだが、ほかのモデルでも、日産セレナ6万1796台(11位/80.3%)、トヨタ・ヴェルファイア5万4180台(15位/147.5%)、ホンダ・ステップワゴン5万3699台(17位/125.6%)、トヨタ・アルファード4万4366台(19位/171.5%)など、いずれも売れ筋モデルとなっている。
軽自動車が増税の影響で失速気味のなか、「ハイブリッド車かミニバンしか売れない日本」という構造となった2015年新車販売だ。なお、ベスト30までにランクインした国産セダンは、トヨタ・クラウンの20位、4万4316台(90.1%)だけとなった。(編集担当:吉田恒)