経団連が2012年12月に発表した大手企業の冬のボーナス額の最終集計によると、回答企業168社の平均額は前年同期比2.95%減の77万8996円、3年ぶりに前年水準を下回っている。要因としては、円高や海外経済の減速、震災による影響を背景とした収益悪化などが挙げられる。また、中小企業に至っては、ボーナスカットの企業も少なくはなく、家計を支える主婦にとってボーナス額減少のダメージが大きいことは否めない。
そのような中、損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険は、全国の20~50代のサラリーマン世帯の主婦500名(各年代毎125名 平均年齢39.7歳)を対象に、「2012年冬のボーナスと家計の実態」をテーマとしたアンケートを実施したという。
今冬のボーナス手取額は「50~75万円未満」(35.2%)、「25~50万円未満」(30.4%)がともに3割を超え、平均金額は昨冬から0.6万円増の62.1万円となった。しかし、調査開始以来最高額となった2008年冬(70.5万円)と比較すると8.4万円減少しており、依然として厳しい状況にある。昨冬のボーナスと比較すると、ボーナスが「減った」(32.6%)人は「増えた」(28.8%)人よりやや多く、増減の平均額も「-1.6万円」とやや下がっており、減少傾向が昨冬より強くなっているという。
また、ボーナスの使い道は「預貯金」(69.0%)がトップ。次いで「生活費の補填」(42.4%)、「ローンの支払い」(29.8%)と続き家計の厳しい状況がうかがえる。夫に渡したお小遣いに関しては「0円(渡さない)」(50.4%)が半数以上。主婦の財布の紐の堅さを示す結果となったが、渡した人の平均額は「7.4万円」から「11.2万円」と大幅に増えており、不況の中で一生懸命働く夫をいたわる妻の姿もうかがえるようだ。
さらにボーナスをもらった感想を川柳として詠んでもらったところ、「家計のやりくりの大変さ」(85件)をテーマにしたものがトップとなった。作品の例を挙げてみると、「ボーナスよ さよなら言わず どこへ行く (20代・有職主婦)」や「ボーナスと 恋の噂は さっと消え (50代・有職主婦)」「ボーナス日 車欲しいが タイヤだけ (30代・有職主婦)」など。ボーナスに関する悲喜こもごもを綴ったユニークな内容のものが多く寄せられたという。
2013年の夏も引き続きボーナスの支給額は前年比に比べ横ばい、もしくは低迷が予測される。それでもボーナスをどの程度あてにしているかという問いには「非常にあてにしている」(37.4%)「ややあてにしている」(25.8%)となっており、“あてにしている”(63.2%)という回答が6割を超えている。「あまりあてにしていない」(12.0%)、「全くあてにしていない」(9.8%)を合わせた“あてにしていない”(21.8%)は2割程度。日々の家計の苦しさをリセットできる可能性があるボーナスへの期待度はやはり大きいようだ。
近年は共働き夫婦が多く、また妻がパート収入で家計を助けるという図式は当たり前となってきたが、やはり稼ぎ頭が夫、という世帯は多い。ゆとりある生活をするには、金銭的な安定も大きいことは間違いない。ボーナス額に満足することが当たり前だった時代に戻ることは困難だが、少しずつでも景気が上昇し、心身ともにゆとりがある生活ができる未来が一刻も早くくることに期待したい。(編集担当:宮園奈美)