【日経平均】大幅な円安で日経平均は昨年来高値を更新

2013年01月25日 19:10

  NYダウは46ドル高で5日続伸。いつの間にか13800ドル台で過去最高値まであと300ドル余り。25日朝方の為替レートはドル円90円、ユーロ円120円の大台にしっかり乗せた。11000円の大台にどこまで迫るか注目の日経平均は176.43円高の10797.30円で始まり、その後は前場、後場とも10800円台の狭い値幅で高値もみ合いが続いたが、大引け前に先物主導で上昇し終値は305.78円高の10926.65円と高値引け。昨年来高値を更新し11000円の大台乗せを射程圏内にとらえて今週の取引を終えた。

海外からの円安批判に麻生財務大臣が反論し、白川日銀総裁が「物価上昇目標2%の早期達成に向けて金融緩和は切れ目なく推進する」と発言したのを受けて、ドル円が90円台半ば、ユーロ円が121円台に乗せるなど円安が進行し、終盤の株価を押し上げた。

 これで週足は11週連続上昇で、高度経済成長時代の1971年以来42年ぶり。売買高は33億株、売買代金は2兆円を超えた。大型、中型、小型株まんべんなく買われて昨年来高値更新が250銘柄を数えた。東証1部は82.6%が値上がりし、TOPIXは917.09と900台を回復。「利益確定売りの金曜日」は今月に限っては「ボーナスがついてハッピーエンドの金曜日」と化した。

  東証1部業種別騰落率は全業種プラス。上昇幅が大きかったのは紙パルプ、ゴム、化学、食品、電機、医薬品、繊維、卸売の順で、上昇が鈍かったのは鉱業、空運、石油・石炭、その他金融、電力などだった。

 日経平均を押し上げた三傑はファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>、信越化学<4063>。1月のヒーロー、ソニー<6758>は売買代金1位に入り101円高で終値1300円台にあと10円。重電株の東芝<6502>は売買高4位、売買代金3位で、日立<6501>は売買代金9位と買いを集め、ともに昨年来高値を更新した。自動車株ではBMWと燃料電池車で提携するトヨタ<7203>が売買代金2位で2008年10月以来の高値まで上昇し、マツダ<7261>も昨年来高値を更新して売買高1位に入り、ホンダ<7267>も買われた。金融関連も三菱UFJ<8306>が6円高、みずほ<8411>が3円高。このところ人気の日経225採用銘柄のあおぞら銀行<8304>が14円高で売買高5位に入った。野村HD<8604>は2円高だが売買高9位、売買代金7位で連日商いがふくらんでいる。新しい抗がん剤の臨床試験を申請するニュースで大日本住友製薬<4506>は一時ストップ高で値上がり率6位。鉄鋼株では新日鉄住金<5401>、商社株では三菱商事<8058>、食品関連株ではJT<2914>が買われた。

  一方、アップル関連のTDK<6762>はこの日は売られて20円安。大成建設<1801>、ニコン<7731>、東京建物<8804>、荏原製作所<6361>、関西電力<9503>などとともに、8銘柄しかなかった日経平均採用225種の値下がり組に入った。

 値上がり率ランキングは1位が終値55円で売買高8位の日本コロムビア<6791>で、2位が終値27円のアゴーラHG<9704>とともに2ケタ株がワンツーフィニッシュ。終値176円のプリマハム<2281>も4位に入った。値下がり率ランキングも1位の中山製鋼所<5408>と4位のティアック<6803>が終値2ケタで、2位の井筒屋<8260>と東京計器<7721>が100円台、5位のミヨシ油脂<4404>も202円で売買高2位。低位株トレード人気はもうすっかり定着している。

  今日の主役は日本電産<6594>。前日、ハードディスクやデジカメ用部品の需要低迷で2013年3月期の通期業績予想を純利益9割減と下方修正し、「25日の市場に日本電産ショックが走るか?」と恐れた市場関係者もいたが、円安で全面高だったこともあり影響はほとんど見られなかった。日本電産株は一時240円安まで売られたが終値は90円安に戻している。永守重信社長は「やり過ぎるぐらいの改革で収益を回復する」とネジ巻き宣言をしたが、来期はV字回復なるか。(編集担当:寺尾淳)