民主党の福山哲郎幹事長代理は安倍晋三総理が今夏の参院選挙で憲法改正発議に必要な改憲勢力(自公ほかおおさか維新など)で3分の2を確保し、憲法改正をめざすとしていることに24日のNHK番組で「昨年の安保法案で元最高裁長官が違憲だと言われていても強行採決し、成立させている。国会の前に10万人以上が(法案反対、慎重審議をと)何度も来られているのに、それも切り捨てた。その安倍政権が憲法改正をやるという姿勢をまず正していかなければならない」と批判した。
また「憲法改正をなんのためにやるのかと聞くと中身については話さない。一方で自民党幹部の方は憲法9条2項の改正だという方や緊急事態項目の追加だという方もいる。さきの参院選挙で自民党は争点にしないまま特定秘密保護法案を強行した。さきの衆院選挙でも集団的自衛権の問題を争点にせず、安保法案の強行があった。何をやるのかもわからないのに憲法改正と言う話は安倍政権の下ではあり得ない」と安倍政権でやるべきではないとした。
日本共産党の山下芳生書記局長は「すでに戦争法の強行で憲法9条(戦争の放棄)は壊された。そのうえ、明文で変えようと。『毒を食らわば皿まで』というもの。国民のみなさんとともに阻止したい」と改憲への加速化を強く批判した。
山下書記局長は「戦争法で、自衛隊が海外で殺し殺される危険性が現実に生まれている」とし「南スーダンでのPKO活動に駆けつけ警護が加えられるが、南スーダンでは事実上、停戦合意が崩れており、12歳から18歳までの子供らが少年兵として駆り出されている(自衛隊が銃口を向ける現実的危険がある)。またISに対する空爆への軍事支援で米国から要請されたら断れるのかを菅義偉官房長官に8回聞いたが『断る』と言えない。日本が憎しみの連鎖を広げ、テロ攻撃の脅威に日本国民が晒される危険がある」と安保法制廃止しかないとし、憲法9条改正をめざす安倍政権を強くけん制した。
社会民主党の又市征治幹事長は「安倍さんが憲法改正をいうと違和感がある。憲法を無視し戦争法を出し、憲法53条を無視して臨時国会は開かない。憲法を無視している人が憲法改正、憲法改正という。自民党の党員約1200人を対象に報道機関が調査した結果、憲法改正を急ぐべきでないが57%を占めた。一般国民とよく似た空気だろう。安倍さんひとり突出している。狙いは戦争法に合わせるため憲法9条を変えていきたいということだろう。何としても戦後70年の平和主義の礎である憲法を変えてはならないとの立場でがんばっていきたい」と改正には断固反対した。
維新の党の今井雅人幹事長は「憲法は時代に応じて変えていくべきとは思うが、なぜ今憲法を変えなければいけないのか、どこを変えなければいけないのかの議論をしないで、憲法を変えますと抽象的にいうのは非常に無責任」と問題視した。
そのうえで「国会できちんと変えていくべきところを議論し、コンセンサスを得ていく」ことが必要とした。(編集担当:森高龍二)