シニア層にも、いまゼリー系飲料が人気

2012年12月06日 11:00

 一時のブームは去ったものの一定の人気は維持しているゼリー系飲料。最近では、食事の後のデザートとして役割だけでなく、ダイエット中の栄養補助的な役割を持つものも多いようだ。飲料メーカー各社は、毎年様々なゼリー系飲料の新商品を発売しており、やはり女性をターゲットにしているものが多いようだが、最近では健康志向の高いシニア層に的を絞った商品も数多く登場している。

 今年3月にはカゴメが、定番の野菜生活ブランドからターゲットを50歳以上の男女と明確に打ち出した「野菜生活100 朝ジュレ」を全国で発売。これは近年、ゼリー系飲料の購入世代が50歳代以上にも広がっていることから、1日分の緑黄色野菜120g分と1日分の果実200g分を使用しながらも150gに濃縮。ターゲットであるシニア層に多すぎない量に設定している。また、固形感を残しつつも硬すぎないように設計、飲みやすさにも配慮しているようだ。なお、同社は2012年3月?2013年2月の販売目標を6億円に設定するなど、自信をうかがわせている。

 また、キリン・トロピカーナでは、果実ゼリー飲料(果汁15%)である「トロピカーナ メロンのジュレ」を、12月18日から全国の一部コンビニエンスストア限定で発売する。同製品は果実感とゼリーで、なめらかなメロンの口あたりと甘みを表現。また、濃厚な甘みのメロンと甘みの白ぶどうが溶け合い、果実を食べているかのような感覚を実現している。こちらは、クリスマスや年末年始に向けて、大人でも楽しめる本物志向の味わいで勝負している。

 飲料水は炭酸飲料、スポーツ飲料、茶系飲料、ミネラルウォーターなど多くのカテゴリーは分かれるが、その中でも嗜好性飲料の代表とも言えるゼリー系飲料は、スポーツ時の栄養補給に適したものから、カロリーゼロでコラーゲンなどが入った美容・ダイエット系、また、デザートの替わりに食べるスイーツ系のものなどその種類は多様だ。消費マインドの低迷で、売上が伸び悩む飲料業界だが、ゼリー系飲料のように、変化していく消費者のニーズを的確にとらえた、オリジナリティー溢れる商品を打ち出していくことができれば、明るい展望が見えてくるのではないだろうか。