三菱商事、資源価格下落の影響を受け減収減益

2016年02月06日 20:14

 石炭や原油の価格下落の影響を受け、金属資源事業が赤字なるなど資源分野が落ち込みをみせたことにより、三菱商事<8058>の今年度第3四半期の業績が減収減益となった。2日、同社が2015年4~12月期連結決算(国際会計基準)を発表。それによれば、売上高にあたる収益は前年同期比7.3%減の5兆4161億円であり、税引前利益は同28.1%減の3042億円、純利益は同23.9%減の2399億円と大幅な減益となった。原油、石炭、鉄鉱石などの価格下落により、資源事業の採算が悪化したことが大きく影響した。

 販売費及び一般管理費は、事業拡大(新規連結)の影響などにより、同3%負担増の7525億円、その他の損益項目では、北米や欧州のガス・石油開発事業における減損損失の反動などにより固定資産減損損失が改善した一方、資源関連投資先からの受取配当金の減少などにより金融収益が減益となった。

 そして資源分野の純利益は同78%減の204億円と、大幅ダウン。うち、金属資源の損益は前年同期の141億円の黒字から一気に293億円の赤字に転化した。そしてオーストラリアの石炭子会社も前年同期の95億円の赤字から拡大して230億円の赤字、チリの銅開発でも3社のうち2社が赤字に転化するという厳しい結果となった。なお、エネルギーの利益も原油安の影響により同40%近いマイナスで497億円であった。

 資源分野以外の事業全体では、同1%減の2154億円。ロシアや中国での自動車販売が低迷したことや船舶市況の悪化により機械は同15%減の減益。しかし化学品は原油安や石油化学品の採算が改善したことにより、同43%増の増益となった。

 なお、16年3月期の純利益の予想については、同25%減の3000億円を据え置き。現在、資源価格は1~3月の前提よりも原油で約40%、銅で約20%を下回る水準で推移しており、さらに前提価格が公表されていない石炭も下回っているものとみられることから、三菱商事はすでに原油関連で200億円の減損損失を見込んでいるが、このままの状況が続けば今後も追加で減損損失が発生する可能性も十分考えられる。(編集担当:滝川幸平)