放送行政の第3者機関「考えていない」高市大臣

2016年02月13日 11:52

 政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合に放送法4条を理由に電波法を根拠として「停波もありうる」としている高市早苗総務大臣発言に対し、野党からは「先進民主主義国で放送行政を直接国家管理としているのは、わが国のみという状況。時の権力によって任命された大臣が放送の公平性の判断を担うなどという状況は民主主義国家の姿ではない」などの制度自体への疑問も提起されている。

 高市大臣は12日の記者会見で放送行政を所管する第3者機関の設置について「全く第3者の独立した機関というものを作った方が、より表現の自由になるのか、その機関の権限が非常に強すぎて、なかなか厳しいことになるのか、それは相当慎重に、いろいろな論点を整理されるべきことだと思う」としたうえで「私はそのようなことは考えておりません」と第3者機関はまったく検討する考えのない旨を語った。

 高市大臣は「放送法は放送事業者の自律の下にということを基本にしている。事業者自身が編集基準を定めることになっているし、事業者自身が放送番組の審議機関を設置するということになっている。それによって、放送番組の適正を図るということなので、事業者の自主自律によって放送番組の適正を図るという今の形の方がより表現の自由も含めて担保されているのではないかと思う」と答えた。

 高市大臣は「放送法第4条によって、『命令』という処分が下されたことはない。これは放送法の運用ということ、電波法の運用ということが相当慎重に行われている。やはり表現の自由を行政の方がしっかりと重視している証左だと思っている」と答えた。(編集担当:森高龍二)