ソーシャルメディアでのチャット、仕事でのビデオ会議、Googleストリートビューでのロケーション検索など、ネット上で人や場所と触れ合う機会は増えている。中には、実際の人との触れ合いに苦手で、ネット上でのコミュニケーションがメインという人も出てきている。
これを受け、GfKでは22の国と地域の2万7,000人に、ネット上での人や場所との触れ合いが実体験と同じぐらい良いものになり得るかを尋ねた。その結果、グローバルでは「そう思う」が23%を占め、「そう思わない」(15%)を上回った。
この考えは国や地域で大きく異なり、「そう思う」が「そう思わない」を上回ったのは、調査22カ国中10カ国となった。ネット上での人や場所との触れ合いが実体験と同じぐらい良いものになり得ると考える人が最も多い国はブラジルとトルコで、34%がそう考えていることが明らかになった。
以下、メキシコ(28%)、中国(27%)、ロシア(24%)と続き、インターネット環境の普及が急速に進んだと思われる国が上位に多く見られる結果となった。一方、「そう思わない」と考える人が多い国のトップは、ドイツで32%を占めた。そして、スウェーデン(29%)、チェコ共和国、ベルギー(各26%)、オランダ、イギリス、カナダ(各23%)と続いた。
日本の状況を見ると、「そう思う」が9%、「そう思わない」が18%で、ネット上での人や場所との触れ合いは実体験には及ばないと考える人の方が多いことが明らかになった。ただし、20歳代以下ではこの傾向が逆転し、15~19歳では18%、20歳代では14%がネット上での人や場所との触れ合いは実体験と同じぐらい良いものになり得ると考えていることが明らかになった。実体験の方が良いと思う人の割合は年代が上がるにつれ高まり、人生経験とネットへの関わり方の深さとの相関関係が伺える結果となった。
同社では、どの市場のどの消費者層が最もネット上での触れ合いを受け入れやすいかというインサイトは、マーケティングや広告の効果向上のために拡張現実を使用したり、コスト削減のためにビデオ会議を活用したりする上でも、ほぼすべてのビジネスに共通する重要な出発点だ、としている。 (編集担当:慶尾六郎)