ジェネリック医薬品(後発医薬品)市場は今後も拡大し、2018年の国内市場は2014年比59.4%増の1 兆1,172億円にのぼる見込みだということが、富士経済の調べで明らかになった。市場拡大をけん引する高血圧症治療剤が伸びるとともに、高い伸長がみられる薬効領域はCSF(コロニー刺激因子)と喘息・COPD治療剤で2014年比3倍を超えるとみられる。免疫抑制剤、認知症治療剤も大きく伸びて2014年比2倍を超えるとみられるという。ジェネリック医薬品の置換え率も金額ベースで35%に達すると予測している。
政府は増加する医療費の抑制策としてジェネリック医薬品の使用を推進しており、2013年に「後発医薬品の更なる使用促進のためのロードマップ」を策定し、2017年度までに数量シェアを60%以上とする目標を設定したが、2015年にはその増加ペースを上回る新たな目標として2017年に数量シェア70%以上、2020年度末までに80%達成を目指すと目標値が掲げられた。ちなみに、現在の数量シェアは、厚生労働省によると56.2%(2015年9月)。
領域別にみると、一番市場規模が大きいのは高血圧症治療剤で、2018年にはジェネリック医薬品市場の19%を占める2,100億円が予測される。大型化が予測されるジェネリック医薬品が続々と発売されており、2014年は金額ベースで28%だったジェネリック置換え率は2018年には46%が予想されるという。
がん領域はジェネリックの置換え率が低い成分が多い市場だったが、新薬でも抗がん剤を扱っている企業がジェネリックを発売し、浸透してきている。この領域はこれまで注射剤が中心だったが、経口剤のジェネリックが発売されたことで調剤薬局での切り替えが促進され、市場の拡大が続いている。富士経済では「ジェネリック医薬品の浸透は着実に進むとみられる」と今後の成長カーブに注目している。(編集担当:城西泰)