ホンダは自動車メーカーではない。昔は「エンジン屋」と言われたが、いまはなんと呼べばいいのだろう。創業時からのブランドアイデンティティである“生活に役立つチカラ”を供給する「パワーユニット屋」だろうか?
日本最大のマリン展示会である「ジャパンインターナショナルボートショー2016」(2016年3月3日?6日)が、パシフィコ横浜において開催された。
今回、ボートショーのホンダブースでは、“時代の枠を超えて進化するHonda?The 4-stroke advantage?”をテーマに、2馬力から250馬力までの幅広いラインアップの4ストローク船外機シリーズ、つまり「パワーユニット」計15モデルや、ボートライフに役立つポータブル発電機(やはりパワーユニット)や蓄電池(これもパワーユニット)などを展示した。
なかで注目は、昨年12月に発売したBFシリーズ、四輪技術で培った「PGM-FI」や「VTEC」を搭載した1.5リッター4気筒モデル。クラス最軽量を実現した新型4ストローク船外機「BF100」(100馬力)、低燃費を標榜する「BF80」(80馬力)を前面に紹介していた。
また、低燃費と高出力を両立した大型4ストローク船外機BF250や中型船外機「BF50」などを搭載した各種スポーツボートを出展した。
ホンダのマリン事業は、1964年7月にGB30と名付けた初代4ストローク船外機の発表でスタートした。ホンダの4輪車事業を事実上本格化させた「ホンダ・シビック」のデビューが1972年なので、ある意味で本格的に自動車生産を開始する以前からマリン事業に参入。2014年7月で50周年を迎えた長い歴史をもったビジネスなのだ。
同社のマリン事業は「水上を走るもの、水を汚すべからず」という創業者・本田宗一郎の理念のもと、50年間一貫して4ストロークの船外機を開発・製造して市場投入してきた。
今回、ブースで異彩を放っていたのは、同社の軽自動車オープンスポーツ「S660」のカラフルなボディカラーをまとった新型の2馬力船外機「4ストローク船外機BF2プロトタイプモデル」だ。今回展示されたボディカラーは5色だが、デビュー&発売時には3色を追加し、S660と同じカラーラインアップとなる模様。
説明によると「国内市場で販売される船外機で、もっとも販売台数が多いのが“2馬力”タイプ。子供たちと小さなボートで遊ぶ船外機は、もっとカラフルな方が愉しい」とのこと。
同じようにカラフルでコンパクトな100V電気を供給するリチウムイオン蓄電池「E500プロト」も夏のレジャーシーンに間に合わせるという。この電池は、消費電力100Wの家電を3時間駆動可能だという。(編集担当:吉田恒)