運転差し止め「真摯に受け止めるべき」社民談話

2016年03月09日 21:11

 関西電力高浜原発3号機、4号機の運転停止を命じる仮処分を大津地裁が9日決定したことに社会民主党の又市征治幹事長は9日「原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格し再稼働した原発に対して初めての差し止め決定であり、また、稼働中の原発を停止させる決定としても初めてのことである。住民の不安や懸念を受け止めた画期的な決定であり、政府と原子力規制委員会、関西電力は今回の差し止め決定を真摯に受け止めるべき」との談話を発表した。

 そのうえで、3号機の即時運転停止と4号機の再稼働断念を強く求めるとした。関西電力は10日午前10時から3号機の停止へ作業をはじめ、午後8時には停止すると発表している。

 又市幹事長は「活断層などによる地震の対策や津波対策も不十分であり、実効性ある多重防護体制もなく、使用済み核燃料の対策なども未整備のままである。いったん事故が起きれば、京都府や滋賀県等にも甚大な被害を及ぼすことは必至」と懸念。

 そのうえで「新規制基準自体が東京電力福島第一原発事故の検証や原因究明も不十分なままに決定され、田中俊一原子力規制委員会委員長自身も基準合格は『安全を担保したわけではない』としている。到底、高浜原発の再稼働を容認できる環境にはない」との認識を示している。(編集担当:森高龍二)