作家の大江健三郎さんや瀬戸内寂聴さん、脚本家の倉本聰さんらが呼びかけ人になり発足させた「戦争をさせない1000人委員会」らが2000万人署名運動で「戦争法廃止を求める統一署名」運動を展開している。安保法制成立から約半年を経て、昨日(19日)日比谷野外音楽堂で催された安保法制廃止を呼びかける集会には民主、共産の幹部らも参加し、主催者発表で5600人が参集した。6月5日にも大規模な全国行動を展開する予定。
署名運動は安倍総理や衆参両院議長に安保法制を廃止するよう請願するもので、内容は「戦争法である『平和安全保障関連法』をすみやかに廃止してください、立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り、いかしてください」という2点。
理由については「昨年9月19日に参議院で強行採決され成立した平和安全保障関連法は、憲法第9条が禁じる国際紛争解決のための武力行使を可能とするもので、憲法違反であることは明らかで、平和安全の名にかかわらず、内容はまぎれもなく戦争法」。
また「憲法解釈を180度くつがえした閣議決定に基づいた違憲立法は、内閣と国会による立憲主義の否定で、断じて認めることはできない」と訴えている。
そのうえで「戦争法が発動されれば、日本は海外で戦争する国になり、自衛隊は海外で殺し殺されることになり、日本自体が武力紛争の当事者となって、平和安全とはまったく逆の事態を招くことになる」とし「戦争法に対しては世論調査でも8割が政府の説明は不十分と答えていた。全国の人びとの強い反対の声を国会内の数の力で踏みにじった採決は主権在民と民主主義を壊す暴挙であり、正当性を欠くもの」とも指摘している。
1000人委員会は「政府は愚かにも人類の英知というべき平和憲法を廃棄し、『国防軍』を創設することを公然と語りはじめた。そして、戦争のできる国をめざして、これまで憲法違反としてきた『集団的自衛権』行使の合憲化をはかろうとしている。そのため内閣法制局長官を交代させ、アメリカに倣った『国家安全保障会議』(日本版NSC)を創設し、ろくに国会で審議しないまま秘密国家とすべく重罰を科す『特定秘密保護法』制定を強行した」など「日本はいままでとまったくちがった国に姿をかえようとしている」と強く警鐘を鳴らしている。(編集担当:森高龍二)