トヨタ自動車が4月から「7カンパニー制」へ移行することになった。製品群ごとに7つのカンパニーに分け、各カンパニーにプレジデントを置く。責任と権限を集約し、企画から生産まで一貫したオペレーションを実施するとした。
トヨタ自動車<7203>が4月から「7カンパニー制」へ移行することになった。既設の第1トヨタ、第2トヨタを継続しながらも、製品群ごとに7つのカンパニーに分け、各カンパニーにプレジデントを置く。責任と権限を集約し、企画から生産まで一貫したオペレーションを実施するとした。
新カンパニーは「先進技術開発カンパニー」「トヨタコンパクトカーカンパニー」「ミッドサイズヴィークルカンパニー」「CVカンパニー」「レクサスインターナショナルCo」「パワートレーンカンパニー」「コネクティッドカンパニー」の7つで、トヨタグループ内で車両の開発・生産を行う車体メーカーも、各カンパニーに参画することになりそうだ。
従来の体制は「機能軸」の縛りがあったが、7カンパニー制によって縛りが「製品軸」に変わり、機能の壁をなくすことで部署間の調整を減らしたい狙いがあると見られる。
時を遡ること09年、実に14年ぶりの「豊田家への大政奉還」が果たされ”章男体制”がスタートし、早7年の月日が流れた。この長期政権下において、7カンパニー制の導入は次のトヨタトップを担う人材の育成、そして選出が期待できそうだ。
また、ヘッドオフィスには「未来創世センター」が新設される。外部の研究機関やトヨタグループなど、積極的に社外の力を取り込み、将来の技術・ビジネスを長期視点、社会視点で創造していく役割を担うことになる。
豊田社長は組織改正について「この組織改正を将来の正解にするのも、間違いにするのも私たち自身である」と述べた。トヨタの今期16年3月期の業績見越しは、売上高27兆5000億円、営業利益2兆8000億円、当期利益2兆2700億円と、3年連続で過去最高を更新したわけだが、新体制が持続的成長への後押しとなるか。
製品軸の7カンパニー、そして縦軸、横軸の9つのビジネスユニットで互いに競争し、ヘッドオフィスとの連動で企業価値向上を狙う。(編集担当:久保田雄城)