2016年春の労使交渉集中回答日となった16日、トヨタ自動車や日立製作所など大手がベースアップ(ベア)を実施した。上げ幅は前年実績の半額になっている。例えば、トヨタ自動車は前年3000円(月額)だったが、今回は1500円。ホンダも3000円だった昨年実績に比べ、今回は1100円。日立製作所も3000円だった昨年実績に比べ1500円となった。
一方、トヨタ自動車は非正規社員(期間従業員)の日給を150円引き上げることにした。他の大手メーカーも非正規社員の賃上げへ動くもよう。こちらは一歩前進をみた。
日本経済団体連合会の榊原定征会長は「本日、多くの企業が3年連続のベースアップ実施と昨年以上の賞与・一時金支給を回答した」と評し「デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現という社会的要請も重視しながら、自主的な経営判断の結果として自社の収益に見合った積極的な対応をとったもので率直に歓迎したい」とコメントした。
また「今後に回答を示す企業においても自社の実情に適った形での前向きな検討が望まれる」と期待し「引き続き、賃金引上げの好調な流れがより多くの業種・企業へ拡がっていくことを期待したい」と賃上げへの取り組みを求めた。(編集担当:森高龍二)